当ブログでは経産省関連の補助金について取り上げることが多いですが、今回は先週閣議決定された経済対悪の中に盛り込まれている厚生労働省の「雇用関係の助成金」について解説してみます。
1)雇用調整助成金に2.2兆円の追加予算
2020年4月以降、新型コロナの影響を受け一時休業により雇用調整助成金の活用を余儀なくされた事業者様も多いかと思いますが、コロナ後の雇調金決定額は約5兆円と大きく膨らみ財源が枯渇しています。そのため今週末閣議決定される補正予算案の中に2.2兆円が追加計上されるようです。
*朝日新聞関連記事>>https://www.asahi.com/articles/ASPCN020XPCMULFA02N.html
しかし、厚労省は来年1月以降、助成額を段階的に縮小すると発表しました。来年1~3月の雇用調整助成金(休業支援金含む)の助成内容は下の表のとおりです。(厚労省HPより抜粋)ただし、業況特例、地域特例について、3月末まで現行の日額上限・助成率の特例が継続されます。
2)業務改善助成金の拡充
政府の経済対策公表資料には、「最低賃金引上げへの対応を支援するため、設備投資や労働者の処遇改善等を行う事業者への助成の拡充等を行う」とあります。具体的には、「業務改善助成金の拡充」と明記されました。
業務改善助成金は、「生産性向上のための設備投資(機械設備、POS システム等の導入)や人材育成に係る研修、業務改善のためのコンサルティングなどを行い、事業場内最低賃金を一定額(20円)以上引き上げた場合、設備投資などにかかった費用の一部を助成」するものです。詳しくは、下のブログ記事をご覧ください。
「今後、最低賃金を20円以上引き上げる事業者様へ!業務改善助成金の活用事例について」 >>https://www.yano-support.com/subsidies/gyoumukaizenjyoseikin/
補正予算案には数百億円ほど追加予算が計上されるのではないかと予想します。(あくまでも予想です)
3)その他の助成金
上記2つの助成金以外では、経済対策の公表資料には以下の助成金に関する記述があります。(「拡充」とは書いてありませんので、追加予算はないかと予想しますが)厚生労働省としては、特に下の4つの助成金を事業者に活用してもらいたいということだと思います。
①キャリアアップ助成金による非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善の推進
②トライアル雇用助成金の活用促進(厚生労働省)
③ 産業雇用安定助成金等による在籍型出向の活用促進(厚生労働省)
④ 人材開発支援助成金によるデジタル人材育成・非正規雇用労働者支援
上4つの助成金の概要については、以下の資料をご覧いただければと思います。
*厚労省HP:令和3年度雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版) >>https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000758206.pdf