今回の第2次補正予算案の中の厚労省主要施策資料が厚労省HPに公表されており、その支援策(助成金等)の概要が明記されています。
第二次補正予算案の主要施策集:22hosei_20221108_01.pdf (mhlw.go.jp)
厚労省の支援策は「労働」「医療」「子育て」「コロナ対策」など多岐にわたりますが、事業者支援に関係する施策は、以下の雇用関係の助成金になるかと思います。(資料2ページからの抜粋)
各支援策(助成金)の拡充内容については、該当するページをご覧ください。本日はちっと長くなりますが、例として3つの助成金の拡充内容を解説します。(ついでに、今後の雇用調整助成金について触れたいと思います)
(注)以下の助成金拡充内容の実施は、第2次補正予算案の成立後になるかと思いますので、ご注意ください。
1)最低賃金引上げへの対応を支援するための業務改善助成金の拡充
業務改善助成金とは、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げる事業者の生産性向上に向けた取組(設備投資など)に対して助成されるものです。(雇用調整助成金は別として)キャリアップ助成金と並んで申請数が多い代表的な助成金です。今回、下のスライドにあるとおり、助成上限額が大きく引き上げられます。業務改善助成金の詳細情報については、右の厚労省HPをご覧ください。>> [2]業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
2)生産性向上に向けた取組を支援する働き方改革推進支援助成金の拡充
働き方改革推進支援助成金とは、「時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む事業者を助成し、賃上げを行った場合、更に助成上限額を加算する」ものです。拡充内容は、下のスライドにあるとおり、助成上限額が大きく引き上げられます。この助成金の詳細情報は右の厚労省HPをご覧ください。 >> 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
3)企業内における事業展開等に伴う労働者のスキル習得を支援する人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース(仮称))の創設
人材開発支援助成金とは、「事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得
をさせるための職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度」です。現在は以下の7つのコースがありますが、今回「事業展開等リスキリング支援コース(仮称)」が新設されるとのことです。現在の人材開発支援助成金の詳細情報は右の厚労省HPをご覧ください。 >> https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
以上、3つの助成金の拡充内容について説明しましたが、以下にあるその他の助成金の拡充内容については、資料の中の該当するページに目を通していただければと思います。
最後に、厚労省助成金で一番有名な雇用調整助成金についても書いておきます。
新型コロナ危機で6兆円以上の巨費を費やした雇用調整助成金ですが、新型コロの特例措置(上限1万5千円/日)は来年1月に終了し、2月以降はコロナ前の助成額(上限8355円/日)になります。下の日経新聞記事にあるとおり「経済の再開に伴って労働市場での人手不足が強まっており、労働移動の促進などに政策の軸足を移す」ことが背景かと思います。
日経新聞記事:雇用調整助成金のコロナ特例、1月末終了 厚労省発表: 日本経済新聞 (nikkei.com)
6兆円もの巨費を費やしたため雇用保険の財源は枯渇しており、今回の第2次補正予算案では雇用保険財源に7276億円もの巨額予算が積み増しされることになります。(資料の11ページをご覧ください)雇用保険財源の安定化には必要な施策なのでしょう。
PS. 明日の配信の予告です!配信前の先ほど、経産省2次補正予算案の支援策・補助金の(より詳しい)概要を説明したPR資料(pr_hosei_221109.pdf (meti.go.jp))が新たに公表になっていることに気づきました。明日はこのPR資料を基に昨日書けなかった「経産省の支援策・補助金」のより突っ込んだ概要について書いてみたいと思います!
以下、サンプルとして経産省PR資料の中の生産性革命4補助金の概要スライドを貼り付けておきます。