先週、石破政権になって初めての新しい資本主義会議が開催され、来年の中小向け重点施策等が議論されました。以下、公表された会議資料になります。
*重点施策(案)>>juutensesaku_set.pdf
上の資料の目次は下記のとおりですが、中小支援の一番の目的は「賃上げ環境の整備・支援」のようです。そのための(1)~(4)の重点施策が今後の経済対策、及び補正予算案に盛り込まれることになります。本日は下の(2)に記述されている来年の主要補助金について簡単に解説してみます。
1)4主要補助金(ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)
以下、本資料からの抜粋ですが、政府は来年の主要4補助金を拡充する方向のようです。昨年の補正予算には総額2000億円が計上されましたが、予算が増額される可能性はありますね。
「中小・小規模企業による生産性向上のための設備投資・IT導入・販路開拓・円滑な事業承継等を支援する中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4補助金の総称)について、中小企業のDXを強力に促進し、また、その生産性向上と成長を加速する観点から、更なる充実を図る。」
2)省力化投資補助金
以下、本資料からの抜粋。省力化に対して「政府を挙げて支援を加速する」とありますので、政府の本気度が伺えます。ただし、「補助対象機器の拡充等による使い勝手の向上を図る」とあるとおり、当補助金の補助対象商品カテゴリ数・製品数が非常に少なく、現在の申請者数は想定を大きく下回っているのが実情かと考えます。今まで何回も書いてきましたが、今後補助対象機器を加速度的に拡充することで、当補助金の活用・申請を当初想定したレベルまで引き上げられるかどうか見守りたいと思います。
「中小・小規模企業の生産性向上を図る上で、AI、ロボットなどの自動化技術の利用・活用が不可欠。また、こうした自動化技術は省力化に資することから、人手不足対策としても有効。政府を挙げて支援を加速する。」
「中小企業において AI/ロボット等の省力化投資が進むよう、簡易な手続きで省力化効果の高い汎用製品をカタログから選ぶ、カタログ式の省力化投資補助金の対象機器の拡充等による使い勝手の向上を図る。」
3)事業再構築補助金
本資料には事業再構築補助金に関する記述がありませんでした。ということは、来年の公募はない(廃止される)のではなかと推察します。(あくまでも個人的な予想です)
4)業務改善助成金
補助金ではありませんが、本資料には厚労省の業務改善助成金について以下の記載があります。当助成金は事業者が最低賃金を一定額以上引き上げた際に申請できる助成金ですが、今後の事業者の賃上げを一層支援するために拡充する方向のようです。
「生産性向上に資する設備投資による業務改善等を行う中小・小規模事業者を支援するため、業務改善助成金(業務改善のための経費を助成)の充実を図る。」