1)本年のものづくり補助金の公募スケジュールについて
正月休み前の年末27日、突如ものづくり補助金の17次公募が開始になりました。(下の【17次公募の概要】を参照)ただし、公募対象は新しい申請枠の「省力化(オーダーメイド)枠」のみであり、従来の申請枠は公募対象となっていません。従来の申請枠である「製品・サービス高付加価値化枠」(旧通常枠など)、グローバル枠は次回の18次公募でしか申請できないことになりました。中小企業庁が「今年のものづくり補助金公募は2回程度であり、いづれの公募回も事業実施期間は12月10日まで」とアナウンスしていることを考えると、本年のものづくり補助金公募スケジュールは下の表のとおりになるかと思います。新しい申請枠の「省力化(オーダーメイド)枠」の詳細は後述しますが、申請要件のハードルが相当高いこともあり、申請者数は非常に少ないのではないかと予想しています。つまり、本年のものづくり補助金公募は実質的に18次公募の1回限りと考えるべきでしょう。次回18次公募の公募開始は3月頃、申請締切は5月頃になるのではなかと予想します。また、18次公募では下の公募スケージュール表にある通り、補助事業の実施期間(機械の設置、支払いの完了期限)が今までより相当短いことに注意する必要があります。いづれにせよ、今までは年3~4回の通年公募であったことを考えると、本年のものづくり補助金公募規模は大きく縮小したことになります。個人的には非常に残念です。
【17次公募の概要】公募要領からの抜粋:6ページ
参考情報:【重要】来年の「ものづくり補助金」公募概要が判明!運用面で大きな変更あり!要注意! – YMO (yano-support.com)
2)17次公募での「省力化(オーダーメイド)枠」について(申請要件など)
新申請枠である「省力化(オーダーメイド)枠」のみを対象とする17次公募の公募要領は下のとおり。
*17次公募要領:はじめに (monodukuri-hojo.jp) 申請締切:3月1日
下に貼り付けたのは公募要領13ページになりますが、申請するための要件が書いてあります。これを簡単にまとめると以下のようになるかと思います。
- 汎用品は対象外。専用設備(オーダーメイド設備)の特注品である必要がある。
- その上で「デジタル技術」(ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等)を活用した事業であることが必須。(単に汎用品である機械装置を導入する事業は対象外)
- 基本要件(給与総額の増加、最低賃金の引上げなど)に加え、13ページにある追加要件を満たす必要あり。
上の追加要件の中でハードルが高そうなのが、今までどの補助金にもなかったと思われる以下の2点です。
- 3~5年の事業計画期間内に、補助事業において、設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となる事業計画を策定すること。
※ 労働生産性は「付加価値額(付加価値額の算出が困難な場合は生産量)/(労働人数×労働時間)」とする。完全自動化の場合は「(労働人数×労働時間)」を便宜的に「0.1」とする。 - 3~5年の事業計画期間内に、投資回収可能な事業計画を策定すること。
※ 投資回収年数は「投資額/(削減工数×人件費単価)」とする。
私はロボット・AI関連の補助金申請サポートの経験が少ないので、上記追加要件の妥当性について判断しかねるとことがありますが、「労働生産性が2倍」「3~5年での投資回収」とは非常に高いハードルのように思えます。いづれにせよ、今まで以上に申請要件を十分確認の上、当申請枠へ申請するか否か検討すべきと考えます。