今年の目玉補助金である「省力化投資補助金」の大枠は下スライドのとおりですが、先週に当補助金の事務局公募資料(公募要領:令和5年度補正予算「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局 (smrj.go.jp)が公表され、今後の公募スケジュール、申請要件等の概要が判明しました。
①一回目の公募開始は3月
先週公表された当補助金の事務局公募資料には「令和6年3月より公募を行う」と明記されています。今後早急に補助金事務局を決定後、省力化商品カタログに掲載するベンダー、及び商品の選定作業に入るものと思われます。
②公募頻度は2か月に1回、令和8年9月までに計15回程度の公募を予定
ものづくり補助金、持続化補助金等とは異なり、当補助金の申請方法は簡易なカタログ形式であるため「公募頻度は2か月に1回」と高頻度となってます。令和8年度9月末までに15回程度の公募を予定しています。また、「採択予定件数は計120,000件」と明記されていますが、これですと採択者1件あたりの補助金額は400万円ぐらいになりますね。(予算額は3年間で5000億円です)
③申請要件の大枠について
資料には申請要件として以下の3つが明記されています。これらの要件は差し当たってのもので、今後変更になる可能性はあるとのことです。
(1)に「客観的にそれ(人手不足)を示す証憑を提示」とありますが、具体的に証憑とは何か不明です。ただし、これを提示できなくても、「人手不足が経営課題になっている旨の申告」を行えばOKと理解できますので、申請する上で大きな問題にはならないような気がします。
(2)付加価値額要件ですが、要件となっているのは付加価値の総額ではなく、従業員一人当たりの付加価値額である「労働生産性」です。(IT導入補助金と同じ)この労働生産性を年率平均で3%以上増加する計画を作成する必要があります。
*労働生産性=付加価値額÷(従業員数×年間の勤務時間平均)
(3)は基本要件ではなく、補助金額が加算される「大幅賃上げ」の要件になります。具体的には以下のとおり明記されています。
「補助事業終了時点において(a)事業所内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること(b)給与支給総額を年率平均6%以上増加させることの双方を申請時に宣言(以下「賃上げ要件」という。)した場合は、「大幅な賃上げを行う場合」の補助上限を適用する。」
以上が事務局公募資料で明らかになった公募概要になりますが、公募詳細については来月以降徐々に判明するかと思います。
当補助金を「今年の目玉補助金」と書きましたが、業種を問わず全ての事業者は当補助金の活用を前向きに検討するべきと考えます。次回の記事では、その理由を簡単に説明したと思います。