省人化・省力化を支援する新補助金「中小企業省力化投資補助金」の大枠が判明!

その他経産省補助金

昨日、来年以降の主要な事業者支援策・補助金の大枠を説明しましたが、本日はその中の目玉と思われる「中小企業省力化投資補助事業」について書いてみたいと思います。下のスライドは、昨日公表された「補正予算案PR資料」(pr.pdf (meti.go.jp))からの抜粋になります。

1)新補助金の目的・狙い

政府は今まで「IT導入等による生産性向上・効率化が必要」と盛んに言っておりましたが、昨今は人口減・少子化、及び(2024年問題などの)労働時間制限を受け、「今後は官民あげての省人化・省力化投資が進むよう支援を図る必要あり」(岸田首相発言)という言葉に変わったように思えます。いずれにせよ、事業者において「省人化・省力化」は今後取り組むべき課題であることは間違いないでしょう!つまり、この新しい補助金は「人手不足に悩む中小事業者の省人化・省力化投資を支援」することが狙いになります。

2)補助対象となる商品・費用について

当補助金は省人化・省力化のための「設備投資」が補助対象となります。日刊工業新聞等によれば、具体的な補助対象として「ロボット・AI等の導入」とのことです。以下、当方の予想になります。あくまでも個人的な推測ですので、その点ご留意ください。

①ロボット

一口にロボットと言っても様々なタイプがあります。以下、代表的なロボットになります。記事の最後に事例を掲載してますので、ご参照ください。

  • 産業用ロボット 
  • 介護用ロボット
  • 商業用ロボット(配膳ロボットなど)
  • パワーアシストスーツなどもロボットと見做されるかもしれません。

補助対象となるのは、上記のようなロボットの(オーダーメイドではない)汎用製品に限られるようです。ちなみにオーダーメイドのロボットについては、後日取り上げるものづくり補助金で新設される「省力化(オーダーメイド)枠」を活用できるようです。

いずれにせよ、来年の公募開始時に補助対象となるロボット製品のカタログが公開されますので、それを注視する必要があるかと考えます。

②IoT製品(Internet of Things)

IoTは製造業を始め物流、医療等の分野でも見える化、省力化等を目的に導入されています。具体的にどのような製品が補助対象になるか不明ですが、「IoT]と言える既成のハード・ソフトが対象になるでしょう。

③AI製品

下のスライドは経産省資料「AI導入ガイドブック」(1_AI_guidebook_mihiraki_FIX.pdf (meti.go.jp))からの抜粋であり、「AIとは何か?」の説明になります。右図に「アウトプット」がありますが、これに関連する汎用性のあるAI製品等が対象になるかと推測します。

④その他

①~③以外でもRPA(Robotic Process Automation)など省力化・省人化の効果のある商品も補助対象になる可能性はあるかと考えます。

3)補助スキーム(補助上限額、補助率)

補助上限額、補助率について下にある通りです。補助上限額は従業員規模別に200~1000万円、補助率は1/2になっていますね。

4)申請方法(カタログ型の簡易な申請プロセス)

経産省資料には「カタログから汎用製品を選んで行うような簡易なプロセスにより、省力化投資への支援を行う」とあります。故に、現行のIT導入補助金の申請プロセスに近くなるのでは推測します。補助対象商品のベンダーは対象商品を補助金事務局へ登録して、事業者は登録された商品カタログから選択するのでしょう。ひょっとしたら、IT導入補助金同様に、事業者とベンダーの共同申請になる可能性もありかと?

5)予算額など

この新しい補助金ですが、現行の「中小企業等事業再構築事業・基金」の傘の下にあるいち補助金となるようです。

今回の予算額は1000億円ですが、経産省の別資料(01.pdf (meti.go.jp))には「中小企業等事業再構築基金の活用等含め総額 5,000 億円規模」とありますので、当補助金は数年は継続されるのではないかと予想します。

6)公募開始時期

令和5年度の補正予算案は12月に国会で成立するでしょうから、公募開始は来年になります。まずは、新たな補助金事務局を公募し、事務局が決定後には補助対象製品の事務局への登録作業も必要になると推測します。そう考えると、早くても3月、多分4月以降の公募開始になるのではないでしょうか?

【参考情報】

①カタログ型のロボット補助金の事例:神奈川県の「2023年度「ロボット導入支援補助金」

現在、神奈川県はカタログ型のロボット補助金を公募中のようです。下URLがそのカタログのようです。ご参考ください。(この補助金ではパワーアシストスーツも補助対象のようですね)

「ロボット導入支援補助金」の対象ロボットのご紹介 | ROBOT TOWN SAGAMI – さがみロボット産業特区 (pref.kanagawa.jp)

②産業用ロボットの事例

一般社団法人日本ロボット工業会のHPに産業用ロボットの事例サンプルが載っております。ご参考ください。

産業用ロボット事例紹介 |(一社)日本ロボット工業会 (jara.jp)

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

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