皆さま、「ウェルビーイング経営」のことをご存じでしょうか?先日、県内のあるメーカー様へ会社見学で訪問した折、社長さんとの話の中で「海外ではビジネスでSDGsについて触れることはないが、今は「ウェルビーイング」(Well-Being:幸福経営)について話す機会が非常に多いです。」と教わりました。私なりに「従業員の幸福度を重視し、結果として創造性や生産性が向上する」という考え方に感銘を受けましので、以下簡単ですが、ウェルビーイング経営の理解に役立つ情報を提供したいと思います。
1)ウェルビーイング~経営に幸せを【日経新聞特集記事:Nextストーリー】
日経新聞のビジネス欄のほぼ毎日「Nextストーリー」という特集記事が掲載されていますが、先月4日にわたり「ウェルビーイング~経営に幸せを」と題して記事が掲載されております。 >>https://r.nikkei.com/stories/topic_story_21050601
上URLにある記事は電子版有料会員でないと閲覧できませんが、以下要旨のみ抜粋しておきます。
- 「先の見通せない時代に、古くて新しい価値観が経営者の間で合言葉となっている。幸せ(幸福、ウェルビーイング)だ。社員の幸福の「健康診断」をしたり、担当役員を配置したり。社員が幸せであれば、創造性や生産性も高いとする研究成果も増えてきた。幸福度ランキングで先進国の下位に沈む日本。あなたの会社の社員は幸せですか?」
- 「調査は幸福学の日本の第一人者、慶応義塾大学大学院教授の前野隆司の理論に基づく。幸福学とはエビデンスに基づく心理学・統計学で、因子分析で導き出した「幸せの4つの因子」を高めることで幸福になれると説く。「やってみよう(自己実現と成長)」「ありがとう(つながりと感謝)」「なんとかなる(前向きと楽観)」「ありのままに(独立と自分らしさ)」だ。
- 「各社が幸福経営にシフトする背景について、前野は幸福度の高い社員は創造性が3倍、生産性は1.3倍高いといったエビデンス(科学的根拠)が積み上がってきていること、新入社員の離職率の上昇に経営者が危機感を感じていることを挙げる。」
- 「3月に公表された世界各国・地域の幸福度ランキング。北欧などの国が上位に並ぶ中、日本の順位は20年から6つ上げたものの、56位にとどまった。主要7カ国(G7)では最下位。あまりに寂しい結果だ。」
- 「幸福やウェルビーイングを経営理念やビジョンに掲げる企業が急増している。「私たちの使命は世界中の人たちが幸せになるモノやサービスを提供すること、幸せを量産することだと思っている」。20年11月に開かれたトヨタ自動車の中間決算の説明会。中間段階では異例の登壇となった社長の豊田章男は時間を割いて、新しい経営理念である「トヨタフィロソフィー」ならびに、そのミッションとしての「幸せの量産」を説明した。」
- 「経済団体では関西経済同友会が21年度、委員会活動の中に幸福についてのワーキンググループを初めて設置することを決めた。有識者の講演会や意見交換などを通じて、会員同士で議論し、自社内での展開に向けたヒントにする考えだ。」
- 以下、大企業の例ですが、ウェルビーイング経営の成功事例は、中小企業の方が多いようです。
- 最後の4回目の記事「「月曜の出社が楽しみ」 地方に学ぶ幸福経営」(5月23日記事)には、ウェルビーイング経営の実践事例が載っております。徳島県の「西精工」という会社さんの事例ですが、詳しく紹介できなくて残念です。興味があったので、この会社のHPを見てみましたが、すごいものを見つけました。下の「社員ブログ」ですが、社員の公私にわたる日常についてほぼ毎日配信しています。また、内容が非常に濃いですね。びっくりです! ウェルビーイング経営の事例として取り上げられること、納得いきます。
西精工「社員ブログ」>>https://www.nishi-seiko.co.jp/blog/
2)ウェルビーイング経営の第一人者:前野氏のYoutube動画「Well Being ~幸福の4因子~ TED」(約16分)など
上の1)にも登場するウェルビーイング経営の第一人者、慶大教授前野氏が下の動画で「ウェルビーイング経営」について分かりやすく説明してます。16分ほどの動画ですが、是非見てみてください。
また、ウェルビーイング経営を更に理解するために、前野氏が経済同友会へ寄稿した記事を貼り付けておきます。https://www.doyukai.or.jp/publish/uploads/docs/2018_07_06.pdf
以上、経営者の皆様、ちょっとウェルビーイング経営について考えてみては如何でしょうか?