先日の記事(https://www.yano-support.com/management/hoseiyosanan/)で、岸田政権の今後の事業者支援策について予想・解説しました!今週、自民党が今月衆院選挙の公約を公表し、来年度以降の事業者支援策の大枠について明らかにしました。衆院選前に、一政党だけの公約で判断することはいかがなものとは思いながら、次の政権を担う可能性が圧倒的に高いことを考えると、致し方ないことかと。
①自民党「令和3年政策BANK」 >>https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20211011_bank.pdf
以下、上の政策BANK資料から「中小企業政策」の項目を抜粋の上、解説してみます!
1)事業再構築補助金、及び事業承継・引継ぎ補助金の拡充
前回予想した通り、来年度「事業再構築補助金」は拡充されそうです。つまり、12月までに提出される補正予算案に追加予算が計上されるかと思います。当補助金は、既に単年度予算ではなく「基金化」されてますので、予算が大幅に上乗せされるかと考えます。追加予算額はなんともいえませんが、数千億円~1兆円と予想します。(昨年同様、1兆円の可能性もあるかも?)予算増と併せて、「運用の改善」とありますので、申請要件が緩和される可能性があります。日本商工会議所は、売上減要件等の撤廃を政府へ要望していますが、どこまで緩和されるか待ちたいと思います。
ちなみに、昨日、車での移動中にラジオで国会中継(首相への代表質問)を聞いていましたが、岸田首相ははっきりと「事業再構築補助金の拡充」を明言しておりました。
「事業承継・引継ぎ補助金」、支援体制・組織の強化については、予想した通り拡充されるかと思います。来年4月以降、複数回の公募があると予想します。(個人的には、この補助金(特にデューデリ費用の「専門家活用型」)こそ「基金化」して、通年公募にしてもらいたいと切に願っているんですが)
2)ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金の拡充
本日聞いていた国会中継でも与野党問わず「中小企業の生産性向上の必要性」についての言及が多かったように思います。間違いなく、上の3補助金の追加予算(今の基金への上乗せ)が補正予算案に計上されそうです。(多分、コロナ型(今の低感染リスク型)に限定されるかとは思いますが)
3)DX推進支援など(デジタル化応援隊事業など)
具体的にどのような支援なのか明言できませんが、現在の「デジタル化応援隊事業」等の支援策のことかと考えます。「DX推進」と補助金の関係ですが、「DX推進」で活用できる補助金は、主に「事業再構築補助金」と「ものづくり補助金」かと思います。今のIT導入補助金では、ちょっと「DX」とは違うような気がします。(生産性向上を目的とする「IT化」と、ビジネスモデルの変革(商売のやり方を変える)を目的とする「DX]の違いは明らかと)
政府も「DX」を推進したいなら、大きな予算でなくても「DX補助金」みたいな支援策も考えてみてはどうかと個人的に考えてしまいます。
4)下請取引の改善、約束手形の短縮化・撤廃について
政府は、引き続き「下請取引の適性化」に注力していく意向です。昨日、世耕さんが国会の代表質問でフォーカスしていましたが(経産大臣時代の「世耕プラン」の思い入れがあるかと)、私も継続的な改善が必要かと考えます。
以上、自民党の中小企業支援策に関する公約をまとめてみました!今月末の衆院選の結果にもよりますが、「大枠」は多分上記のようになるかと予想します。最終的には、衆院選後、年内には補正予算案が閣議決定されますので、その時に詳細は判明するかと思います。
ちょっと気になったのが、「持続化給付金」「家賃支援給付金」の再開についての具体的な記述がなりことですが、これは岸田首相が実施することを(国会答弁等で)明言していますので、間違いない事でしょう!
さて、本日は来年の経済対策・補正予算案について書いてみましたが、財源はどうなるんでしょうね?多分、いつものとおり国債発行がメインになるかと思いますが、日本の財政は大丈夫か不安の方も多いかと思います。私と同じ名前の方が、与野党の選挙公約を「バラマキ合戦」と揶揄し、批判を浴びているようですが? 次回は、大型補正予算の裏側である「財政」について、私見を書いてみます!