先週お伝えした通り、来年のものづくり補助金、及び新事業進出補助金においては、厚労省が定める「一般事業主行動計画」の作成・公表が申請要件のひとつとなります。(ものづくり補助金の場合は、従業員21名以上の事業者のみ)申請要件である以上、この要件を満たさなければ補助金申請できません。
本日は、この一般事業主行動計画の作成方法等について解説します。ものづくり補助金の公募開始は2月、新事業進出補助金は4月開始を予想していますが、申請予定の事業者は事前準備として、今から当計画書の作成に取り掛かってはいかがでしょうか?(ちなみに、当計画書はA4で1,2枚のシンプルなものです。)
1)一般事業主行動計画とは何か?
厚労省HPには以下の記載があります。(一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省)
- この制度は、事業者が従業員の仕事と子育て・介護の両立を図るための労働環境整備を促進する目的で始まったものです。両立に向けた労働環境整備のためのアクションを盛り込んだ計画書を作成後、厚労省関連サイト(両立支援のひろば)、自社HP等で公表する必要があります。
- 当制度のメリットですが、会社のイメージアップ・社員のモチベーションアップを図ることができ、結果として採用活動する上での大きなPRポイントになることかと思います。
- 計画書に盛り込んだ目標を達成すると、次のステップとして(よりステータスの高い)「くるみん認定」(くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて |厚生労働省)へ申請することができます。
2)一般事業主行動計画の内容
以下、厚労省HP(一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省)に貼り付けてある計画書記載例のひとつです。ここにあるとおり、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を記載する必要があります。A4で1枚(or 2枚)で簡潔に記述すれば良いかと思います。
3)一般事業主行動計画の策定の流れ、及び作成方法について
当計画書の策定の流れは以下のとおりです。詳しくは厚労省HP(一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省)をご覧ください。
上記のステップ1,2について、厚労省関連サイトである「両立支援のひろば」(一般事業主行動計画とは? | 一般事業主行動計画公表サイト | 企業が行う両立支援の取組を紹介するサイト)に当計画書を簡単に作成できるツールが用意されています。(>>両立診断サイト)このツールを使えば、両立の関する自己診断を踏まえ、自動的に推奨するアクションを提案してくれます。提案されたアクションの中から自社に該当する取組を選べば、ほぼ計画書の出来上がりです。計画書作成だけのためでなく、自社の社員への両立支援の現状を理解し改善案を検討する上でも、推奨できるツールかと思います。
または、厚労省HP(一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省)に複数の計画書記載例がワード版で貼り付けてありますので、ワード版をひな型に上書きすることで計画書を作成できます。
次にステップ3について、作成した計画書は一般へ公表する必要があります。公表方法としては、上記の厚労省関連サイト「両立支援のひろば」、自社HPなどがあります。来年の主要補助金の要件は「一般事業主行動計画の公表」ですので、要件を満たすためにはステップ3まで完了する必要がありそうです。
最後にステップ4について、上の厚労省HPには「行動計画を策定したら、策定の日からおおむね3か月以内に、「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を郵送、持参、電子申請のいずれかにより、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に届け出てください」とあります。この様式第一号は、10分もあれば作成できるものです。厚労省HPにワード版のひな型がありますので、これを使って簡単に作成できます。
以上、ここまで、会社従業員の仕事と育児・介護との両立支援制度である一般事業主行動計画について書いてきましたが、最後に事業者の両立支援に対する厚労省の助成金について少しだけ書いておきます。厚労省の「両立支援等助成金」のことはご存じでしょうか?以下、当助成金のPRチラシ(令和6年度両立支援等助成金リーフレット)からの抜粋になりますが、政府は事業者の育児休暇取得、介護両立等を支援するために「両立支援等助成金」を設けています。詳しくは、後日、厚労省の他の助成金を含め解説したいと思いますので、少しお待ちください。