昨日、新聞各紙が報じておりますが、公正取引委員会は29日、受注企業が発注企業との取引で受け取る対価について価格転嫁を促すための指針を公表しました。以下、公正取引委員会HPにある公表記事、指針資料になります。本日は当指針の内容、及び(指針本文に含まれている)発注者との価格交渉の際有益と思われる「価格交渉の申込み様式:テンプレート」をご紹介します。
- 公正取引委員会HP公表記事:(令和5年11月29日)「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の公表について | 公正取引委員会 (jftc.go.jp)
- 価格転嫁に関する指針(概要):231129_03_romuhitenka.pdf (jftc.go.jp)
- 価格転嫁に関する指針(本文):231129_02_romuhitenka.pdf (jftc.go.jp)
1)当指針の概要について
本指針の骨子については下スライドをご覧ください。(公取委資料より:shiryou1.pdf (cas.go.jp)))
当指針(本文)に以下の記述があるとおり、指針といえども「順守しない場合、独占禁止法の違反につながる」ことが明記されています。
「発注者が本指針に記載の12の採るべき行動/求められる行動に沿わないような行為をすることにより、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、公正取引委員会において独占禁止法及び下請代金法に基づき厳正に対処していく。」(指針本文より)
大企業・中堅企業等と下請取引のある中小事業者(受注者)は、一番上のURLにある本指針の概要・本文に目を通することを強く勧めます。特に、本文の14~20ページに「受注者として採るべき行動/求められる行動」の詳細が書かれておりますので、読んでみてください。記事の一番最後に、参考情報として当指針の概要資料をそのまま貼り付けました。
2)価格交渉の際有益と思われる「価格交渉の申込み様式:テンプレート」
当指針(本文)には発注者との価格交渉の際大変有益そうな資料として「受注者側が価格交渉に活用できるテンプレート」が掲載されています。是非、下URLのテンプレートを見てみてください。
*価格交渉の申し込みテンプレート>>kakakukousyoutenpureto.pdf (jcci.or.jp)
以下、当指針本文にもある価格交渉・価格転嫁の相談窓口の例ですが、このテンプレート作成等でお悩みであれば、国の価格転嫁サポート窓口である和歌山県よろず支援拠点や商工会・商工会議所へ相談されては如何でしょうか?
3)中小企業庁が今週公表した「中小企業の価格転嫁に関する調査結果」
最後に、当件に関する参考情報として、中小企業庁が今週公表した「中小企業の価格転嫁に関する調査結果」を紹介しておきます。この資料によると9月の調査では「発注者が中小企業に対し、コスト上昇分の価格転嫁にどれだけ応じたかを示す価格転嫁率は45.7%」「発注側企業に対して「価格交渉を希望したが、交渉が行われなかった」とする回答割合が7.8%」とのことです。ご参考まで。
- 中小企業庁公表記事:中小企業の価格転嫁に関する調査結果(速報版) 価格交渉促進月間(2023年9月)フォローアップ調査 (METI/経済産業省)
- 価格転嫁調査資料(速報版):20231128005-1.pdf (meti.go.jp)