先日、下URLの記事で政府が親会社(大企業等)に対して価格交渉・転嫁を前向き検討するよう積極的に促していることを紹介しました。
初めて!経産省が下請事業者との価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業を「実名」で公表!【下請け事業者必見】 – YMO (yano-support.com)
以下、当件に関連する政府の最近のアクションを2つほど解説してみます。
1)今月は価格交渉月間!前回調査の倍にあたる中小30万社へ調査拡大!
*経産省HP公表記事:3月は「価格交渉促進月間」です! (METI/経済産業省)
- 前回の価格交渉月間は昨年6月であり、月間終了後に順次実施する価格交渉・転嫁状況に関する追跡調査が実施されました。(上URLの「実名公表」はこの追跡調査の結果になります。)
- 「今回からは調査対象となる下請け中小の数を従来比倍となる30万社に広げるほか、前回に続き、発注側の対応状況について社名を挙げてランク付けした企業リストを公表し、自主的な改善を促す」そうです。(3月1日日刊工業新聞記事より)2回目の「価格転嫁に後ろ向きな大企業の実名公表」は、約半年後になるかと思います。
- 28日の閣議後会見で西村経産相から「親事業者(発注側)は取引先に積極的な価格交渉を持ちかけるとともに、価格転嫁に応じられるよう社内で徹底してもらいたい」との発言があったようですが、政府も中小が賃上げできる環境の整備に積極的に取り組んでいるようです。
2)中小企業庁が親会社6000社へサイトを60日以内にするよう要請!
*経産省HP公表記事:手形等のサイトの短縮化のさらなる促進に向けた要請を実施しました (METI/経済産業省)
- 中小企業庁は、昨年6月の価格交渉月間後に実施した追跡調査の回答において、サイトが60日を超える手形等により下請代金を支払っているとした親事業者約6,000者に対し、可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内に短縮することを求める要請を、公正取引委員会と連名で実施しました。
- 6000社の実名は公表されていませんが、数の多さから見て、親会社であれば大企業だけでなく中小企業も含まれているかと思います。
- 下請取引において支払いサイトが60日以上である事業者は、タイミングをみて親会社へ取引条件(支払いサイト)の改善をお願いしてみては如何でしょうか?
最後に、皆さまご存じかと思いますが、政府は令和8(2026)年の約束手形の利用廃止に向けも積極的に動いているようです。以下、約束手形の利用廃止促進のためのPRチラシになりますが、予定通り令和8年に約束手形が廃止になることを期待したいと思います。