10月からの最低賃金28円UPの影響度調査、及び来年からのパート厚生年金加入義務拡大について

経営知識

ご承知のとおり、10月より全都道府県で最低賃金が28円~30引き上げになります。和歌山県では28円Uの859円となります。コロナ禍が長期化する中での大幅UPで厳しい事業者様もいらっしゃるかと思いますが、なんとかご対応いただければと思います。

さて、今週、東京商工リサーチ(TSR)が、厚労省審議会が28円UP答申した後に実施した「最低賃金UPの影響度調査」の結果を公表しました。

1)「最低賃金引き上げに関するアンケート」調査~ 1割の中小企業で正規雇用を「増加」 

>>https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210819_01.html

以下、調査結果の要旨(抜粋)になります。詳しくは、上URLをご覧ください。

  • 最低賃金引き上げによる影響では8割以上(構成比83.4%、7745社)の企業が当面の人員戦略には「影響は与えない」と回答した。
  • ただ、503社(構成比5.4%)は、非正規従業員を削減する方針だ。
  • 一方、非正規従業員を増員すると回答したのは465社(同5.0%)だった。正規従業員より賃金を抑え、期間を限定する非正規雇用のメリットが希薄化する可能性が出てきた。
  • 正規従業員は、増員するとの回答が914社(同9.8%)に対し、削減するは287社(同3.0%)で、増員が減員を3倍上回った。非正規雇用の機会が減少する一方で、成長産業や好調な業種では、今回の最低賃金引き上げを契機に、正規従業員の増員に動くことも期待される。
最低賃金引き上げ①

2)将来のパートなど非正規社員の厚生年金加入義務について

上の1)に「期間を限定する非正規雇用のメリットが希薄化する可能性が出てきた」とありますが、今後も継続されるであろう最低賃金の引き上げが、非正規からの正社員化の傾向に対する影響はありそうです。私見ですが、それ以上に来年以降の「パート社員の厚生年金加入義務化」(従業員規模による段階的実施)の方が、パートからの正社員化に対する影響度合いが一段と大きいと思われます。(事業者コスト負担の大きさが違いますので)

*まだまだ先の話ですが、2025年以降、いつかは従業員規模を問わず全ての事業者へ義務付けられる方向にあるようです。ひと昔前の「小泉・竹中」時代の政策とは、大分変っていくと思います。

いづれにせよ、上の1)、2)共に、事業者の負担が将来的に増えることになります。その意味でも事業者様におかれては、継続的な生産性向上が求められる、必須かと考えます。

3)パートの正社員化で活用できる助成金「キャリアップ助成金」について

この助成金は、「非正規雇用労働者の正社員化」を始めとした従業員のキャリアアップを支援するものです。詳しくは右URLご覧ください。>>
https://seido-navi.mirasapo-plus.go.jp/supports/682?_ga=2.13515575.1832130502.1625922615-1268704855.1617255120

仮に今後、パートさんの正社員化をご検討される場合、是非「キャリアップ助成金」の活用も検討いただければと思います。

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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