本日は最近、ジェトロが海外展開・海外ビジネスに関心の高い約1700社を対象に実施したアンケート調査結果についてご紹介します。(対象企業の8割以上は中小企業です。)約2年前の最初のコロナ感染拡大以降、当ブログでも事業者の海外展開に関する情報には触れてませんでしたが、最近ようやく事業者の海外展開も回復基調のようです。
現在、輸出等の海外展開されている事業者様、そして今後海外展開を検討されている方、是非下URLにある最新のジェトロ・レポートを一読してみてはいかがでしょうか?
「JETROアンケート調査~危機からの回復局面。複雑化するビジネス課題への対応を模索~」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_News/releases/2022/cb54ecb6447c983f/digest20220131r.pdf
当調査結果は「海外ビジネスに対する意欲の変化」「バリューチェーン再構築の取り組み」「気候変動や人権など共通価値への対応」の三つの観点で分析されています。以下、ジェトロHPにある当調査に関する記事(https://www.jetro.go.jp/news/releases/2022/cb54ecb6447c983f.html)にある「調査結果の要旨」を張り付けておきます。
現在、国内外を問わず新型コロナの影響が長期化しており、先行きの不透明感は否めないところですが、輸出等の海外事業の拡大の可能性を検討いただければと思います。
調査結果の要旨
1.海外ビジネスに対する意欲の変化
- 2021年、海外市場での売り上げが2019年比で「増加」する企業は約4割。国内市場と比較すれば、明るい兆しも、過去最大の危機からの回復は未だ道半ば。
- 国内市場の停滞を理由に、輸出意欲は急速に回復。輸出方針で「さらに拡大を図る」と回答した企業の割合は過去最大。最も重要な輸出市場として、米国および中国をあげる企業の割合が高まる。
- 海外での事業拡大意欲は上向くも、コロナ禍前の水準には戻らず。事業展開先では米国が初の首位。
2.バリューチェーン再構築の取り組み
- サプライチェーンの見直し方針は、販売網の見直し、価格引き上げを実施する企業の割合が大幅に増加。調達先の変更、複数調達化も進展。見直しの最大の理由は国際輸送の混乱とコスト上昇。
- コロナ禍における海外市場開拓手段としてのEC活用が進展。海外向けの販売でECを活用、もしくは、活用を検討する企業の割合は、初めて、国内向けの販売での同割合を上回った。
3.気候変動や人権など共通価値への対応
- 人権尊重の方針を、策定予定・検討中とする企業は4割近く、業種により「1年以内に策定」との回答も目立つ。国内・外顧客からの要請が、バリューチェーン全体の取り組みを促している実態が明らかに。
- 脱炭素化への取り組みは、国内向けが先行し、海外向けは大きく遅れる。海外拠点を有する企業のうち、海外で脱炭素化に取り組む企業の割合は、大企業で約4割、中小企業では15%にとどまる。