今年の2月に配信した以下の記事を覚えておられるでしょうか?経産省が初めて「価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業を」を実名で公表したことが大きなインパクトだったのか、当記事は今まで一番多いの閲覧数でした。
初めて!経産省が下請事業者との価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業を「実名」で公表!【下請け事業者必見】 – YMO (yano-support.com)
経産省・中小企業庁は、上記調査のフォローアップとして再度同じ調査を実施し、今週2回目となる「価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業」の実名を公表しました!
①「価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業」2回目の実名公表資料 >>「list.pdf (meti.go.jp)
②日経新聞の関連記事:下請けとの価格交渉、積水化学・トーエネックが最低評価 経産省 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
以下、今回の公表資料についての分析になりますが、やはり価格交渉・転嫁に後ろ向きな企業を実名で公表することには意義があるようです。前回公表された企業の多くにおいて改善が見られます。今回はちょっと長い解説になりますが、以下公表資料のデータを分析してみました!是非ご覧ください!
1)今回の実名リストについての分析
今回の実名リストの評価基準については上記URLにある2月の配信記事に改定ありますが、以下の4段階による評価になっています。また、アンケート調査による回答が10社以上の約120社のみ実名公表しています。120社のリストは記事の最後に貼り付けています。
以下、今回の調査で価格交渉・転嫁に関し評価の低かった企業、良かった企業のリストになります。前回調査での企業も併記していますが、前回の調査と比べて結構入れ替わっています。その理由は後述します。
2)前回調査で評価の低かった企業の評価はどうなったか?
- 以下、前回調査で評価が低かった企業が今回どのような評価になったか調べてみました。
- 評価が高くなった企業は黄色で示した8社となり、評価が変わらなかった(=改善が認められなかった)企業はオレンジ色で示した4社になりました。この4社に対しては当然経産省からの指導が入るものと思われます。
- その他の会社は、今回10社以上の回答がなかったため今回のリストには載ってませんので、改善が見られたか否かは不明です。次回調査からは、一度実名を公表された企業に関しては、10社以上の回答がなくても、評価がどう変わったのか明示してもらいたいものです。
- 特に日本郵便についてですが、前回調査の公表後、以下のような記事も見受けられました。多分、価格交渉・転嫁について改善しているとは思いますが、実際の評価がどう変わったのか見たいものです。
- 日本郵便、139局で「買いたたき」恐れ 価格交渉応じず – 日本経済新聞 (nikkei.com)
3)今回調査で評価の低かった企業はどんな会社か?
- 今回の調査で価格交渉に関し最低評価となったのは、積水化学工業とトーエネックの2社になりました。
- 前回調査より評価が低くなり「交渉」「転嫁」ともに下から2番目の評価となった企業は、オレンジ色で明示した7企業です。
- その他は今回初めて会社名が公表された企業です。(前回調査では回答数が10以下であったため)
- 積水化学工業とトーエネックに関しては、上の日経新聞の関連記事にあるとおり今後改善していく意向のようです。
4)発注側の価格交渉・転嫁の好事例
経産省・中小企業庁は今回の企業リストと併せて、以下にある発注者の【価格交渉・転嫁の好事例】も公表しています。>>jirei.pdf (meti.go.jp) これを読んで、「よっぽど儲かっている大企業なんだろうな?」と思ってしまいました。こんな発注者(大企業)は少ない、いや稀だとは思いますが、ひとつの事例(交渉材料)として価格交渉の際、使ってみては如何でしょうか?無理かなぁ?こんな発注者との取引であれば、中小事業者も苦労しないですむのでしょうが?