今後、事業再構築補助金、ものづくり補助金を始めとする様々な補助金へ申請される事業者も多いかと思います。ご承知のとおり、ほぼ全ての補助金において事業計画書(経営計画書)の作成が必須であり、採択・不採択の分けれ目は「事業計画書の出来次第」となってます。審査員に高く評価される事業計画書とは、計画に納得感・説得力・論理性があり、「事業の実現性が高い」と誰もが認めるような計画になります。この点からも「市場調査」「事実と数字」(Fact&Figure)は非常に重要なことです!ビジネスにおいて人(審査員・銀行)を説得するには、「事実と数字」による裏付けが必須かと考えます!
- 事業計画作成において事業者の強い想い・考えを記述することは大切ですが、それだけでは審査員から高い評価を得ることはできません。「強い想い・考え」を実施する能力(人物金)があること、そして事業性(実現性)が高い計画になっていることを「事実と数字」で裏打ちすることが、採択されるための一番のポイントになります。
- 事業の成功のためには「市場」(規模・動向・競合状況等)、「顧客」(規模・ニーズ・ターゲット層等)を十分に理解・把握することは必須です。「私は市場・競合・顧客をよく知っています!」ということを市場調査データで審査員にPRすれば、計画に説得力が増します。
- 市場調査のデータを売上計画とリンクさせることで、売上計画が妥当である根拠ともなり、計画の事業性(実現性)が高いと審査員に思ってもらえます。
昨日、ミラサポPlusに非常に参考になる記事が掲載されてますので、以下ご紹介しておきます。是非ご一読いただければと思います。
「市場調査どうすればよい?」 >>https://mirasapo-plus.go.jp/hint/17657/
以下、市場調査の重要性に関する私見を述べておきます!
1)市場調査には、大きく①自社で調べた顧客調査・市場競合調査データ(アンケート調査・聞き取り調査など)と②Web・書籍等で調べた外部データがあるかと思います。私が審査員であれば、①の自社で調べた調査データをより重視するかと思います。やりたい事業に直結したデータであり、顧客・見込み客の生の声は一般的なWeb上のデータより格段に説得力があります。自社での顧客アンケート調査・聞き取り調査等は大変面倒であり(アンケート調査の設計・分析など)、時間も掛かるものです。しかし、補助金の採択といことだけでなく、事業そのものの成功の可能性を高めるためにも重要かと考えます!特に投資金額が大きい申請案件では、是非自分の足で稼いだ市場調査を実施することを勧めます!
2)とはいえ、②のWebなどの外部データも事業計画の説得力を高めるためには大変重要です。このミラサポPLUS記事にある以下の外部データは大変有益です!私も事業者の事業計画書作成を支援する際は、必ず「これらのデータを活用できそうか否か?」検討します。(データを使うことで説得力が増すと判断すれば、使うようにしてます。)
- 地域経済分析システム「RESAS」>>市場規模・地域性などの分析
- 国の統計ポータルサイト「e-Stat」>>商圏分析など
- J-Net21「業種別開業ガイド」>>市場の動向、投資・収益計画の目安など
- 「業種別審査事典」(株式会社きんざいの書籍)>>市場業界の様々なデータ、規模・動向・特性などなど)
4.の「業種別審査辞典」は全10巻で20万円と高価なものです。私の知る範囲では、和歌山県立図書館で閲覧できます。(昨年末に和歌山市駅の市立図書館に行きましたが、業種別審査辞典は置いてありませんでした。)
2.の「e-STAT」での商圏分析のやり方については下の記事を読んでみてください。
以上が代表的な外部データにはなりますが、事業計画書の説得力を増すために使える様々なデータは、Web上には溢れているはずです。是非こまめにWebで調べてみてください!