28日、政府は財政支出ベースで39兆円、(ほぼ真水といえる)補正予算歳出分29兆円となる大型経済対策を閣議決定しました!当経済対策に関し内閣府が公表した資料は下のとおりです。
総合経済対策の概要>>20221028_taisaku_gaiyo.pdf (cao.go.jp)
総合経済対策の詳細資料>>20221028_taisaku.pdf (cao.go.jp)
以下、経済対策の中の中小企業関連の支援策を簡単にまとめてみました!各支援策の細かい概要、予算額は、11月に作成される2次補正予算案のPR資料を待つ必要があります。
1)電気料金、企業向け「高圧」は3.5円(/1キロワット)を支援
既に報道されている通り、来年1月~9月分の企業向け高圧の電気代に対し、(1キロワットあたり)3.5円補助されます。1万キロ/月の消費であれば3.5万円、10万キロであれば35万円の支援になりますね。
以下の特定業者においては、別途エネルギー価格高騰に対する支援策があるようです。
・タクシー事業者に対する燃料価格激変緩和対策事業(国土交通省)
・漁業経営セーフティーネット構築事業(農林水産省)
・施設園芸等燃料価格高騰対策(農林水産省)
2)事業者の賃上げ支援、生産性向上等のための支援策など
①経産省の主要補助金(事業再構築補助金、ものづくり補助金、持続化補助金など)
上記の詳細資料には以下の記述があります。
「物価上昇に負けない継続的な賃上げを強力に促進するため、今年度から抜本的に拡充した賃上げ促進税制の活用促進、賃上げを行った企業の優先的な政府調達等に加え、中堅・中小企業・小規模事業者における事業再構築・生産性向上等と一体的に行う賃金の引上げへの支援を大幅に拡充する」
賃上げを要件として主要補助金(事業再構築補助金、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金など)が大幅に拡充されます。詳細は11月の補正予算資料に記載されるかと思います。
②厚労省の雇用関係助成金の拡充
厚労省の雇用関係助成金については、以下の助成金が拡充されるようです。
・業務改善助成金の拡充(事業場内最低賃金引上げのための助成)(厚生労働省)
・働き方改革推進支援助成金の拡充(「賃上げ加算」の増額)(厚生労働省)
3)中小企業等の輸出拡大
資料には以下の記述がありますが、中小事業者に対する新たな輸出支援策が出てくるようです。(「新規輸出中小企業1万者支援プログラム」)
「円安は、これまで輸出に積極的ではなかった中小企業等が輸出を開始し、海外市場を開拓していく契機となり得る。全国の商工会・商工会議所が輸出に関心のある企業を掘り起こし、専門家が伴走型支援を行うとともに、輸出向け商品開発、ブランディング・プロモーション、輸出商社等との連携強化、ECサイト等を活用した販路開拓強化に取り組む中小企業等を支援するなど、「新規輸出中小企業1万者支援プログラム」を推進する。」
4)「人への投資」における支援策
資料には以下の支援策が明記されていますが、各支援策の概要、予算額は11月の補正予算資料に記載されるかと思います。
・キャリアアップ助成金による非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善の推進(厚生労働省)
・労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)及び中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の見直し(厚生労働省)
・特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)の拡充(厚生労働省)
・労働者に転職の機会を与える企業間・産業間の労働移動の円滑化(経済産業省)
・先導的人材マッチング事業(内閣府)
・地域金融機関取引事業者支援高度化事業(大企業の人材プラットフォーム(レビキャリ)を通じたマッチング支援等)(金融庁)
・人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」の拡充(助成率の引上げ)、及び「事業展開等リスキリング支援コース(仮称)」の創設(厚生労働省)
・産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)(仮称)の創設(厚生労働省)
・経済社会の変化に対応した労働者個々人の学び・学び直しの支援(教育訓練給付の拡充)(厚生労働省)
・成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業(文部科学省)
・その他、建設キャリアアップシステムの導入促進事業など
5)新しい資本主義の加速について
新しい資本主義の重点投資分野である「DX」「グリーン」「スタートアップ」(上記の)「人への投資」の6.7兆円の財政支出が盛り込まれます。詳しくは、22~32ページをご覧ください。
6)企業の省エネ投資「3年で集中支援」(省エネ設備更新の補助金の強化など)
前回も書いた通り、今後3年間集中的に企業の省エネ設備更新を支援するようです。
「特に中小企業の潜在的な投資需要を掘り起こすため、企業の複数年にわたる投資計画に対応する形で今後3年間で集中的に支援する」(資料からの抜粋)
具体的な内容は、補正予算資料を待つ必要があります。