皆さま、景気動向には関心があるかと思いますが、その一つに「景況感」に関する調査結果があります。日銀、中小機構、日商、金融機関などが、定期的に事業者へアンケート調査を実施し、景況感に関する調査結果を公表しています。(日銀の「短観」が有名ですね)
私も仕事柄、景況感に関する調査結果には目を通することがあるのですが、DI等の数字の羅列が多く、なかなかピンと来ないことが多いです。(私だけかもしれませんが) 昨日、上にある中小機構が実施している「中小企業景況調査」に関するコラム記事が、情報発信サイトJ-Net21に掲載されております。中小事業者が感じている景況感に関する分析で、大変分かりやすいデータ・記事だと思いましたので、ご紹介したいと思います。(上記表のとおり、母数の大きさ、中小事業者の割合を考えれば、一番実態に近いデータなのかもしれません。)
「コロナ禍での中小企業の声を聴く:地域×業種分析編ー中小企業景況調査の活用ー」
>>https://j-net21.smrj.go.jp/report/smrjsurvey/rieti1.html
まずは、「景況感」を調査する時には「DI」(Diffusion Index)という指標が使われます。ご存じの方も多いでしょうが、「DI」の定義に関する説明は以下のとおり。(日銀HPより)つまり、アンケート調査で「さほど良くない(普通)」という回答を無視して、「良い」と回答した数より「悪い」と回答した数を差し引いた数字(%)がDIとなります。
以上を踏まえ、下のグラフを見てみてください。大分類として5産業ごとのDI推移になりますが、サービス業(小売業、サービス業、卸売業)を中心に昨年4月以来の新型コロナ・緊急事態宣言の影響が強く見取れるかと思います。
下のグラフは、上の「サービス業」を7業種に分類したデータになります。言わずもがなですが、直近の景況感を見ると、宿泊業(▲86%)、飲食業(▲70%)の数字には本当に心が痛みます。
今後の見通しですが、現在継続中の緊急事態宣言・まん防を考えると、今年の第3四半期、第4四半期も大きな景気の回復はあまり見込めないかと考えます。ただし、報道によると、10月には2回目のワクチン接種率が70%に達するとも聞いています。個人的な期待かもしれませんが、年末あたりから飲食・宿泊業等のサービス業において経済が動き出し、(ポストコロナに対応した)需要が大きく回復することを切に願うばかりです!