政府は昨年秋の経済総合対策の中で「経営者保証(個人補償)に依存しない融資制度を促進する」旨謳っていましたが、先月、経産省が経営者保証なしでも融資を受けられる信用保証制度を創設すると発表しました。
①経産省HP公表記事: 経済対策に基づく新たな資金繰り支援策を行います (METI/経済産業省)
②当件に関する日経新聞記事: 経営者保証なしの融資制度、経産省が創設 中小を支援 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
③経済対策としての経営者保証に関する私の記事:総合経済対策の金融支援策②:「経営者保証解除」の促進、事業再生・再チャレンジの支援 – YMO (yano-support.com)
今回公表された「経営者保証が不要の新しい信用保証制度」は以下のスライドのとおりです。
新制度では、直近の決算で債務超過ではないなど対象要件を満たした上で、保証料を通常より高く支払えば経営者保証が不要になります。上乗せ分の保証料率は0.25~0.45%になりますが、3年の時限措置として上乗せ保証料の一部を政府が補助することになってます。(1年目は0.15%の補助)今までの経営者保証解除の要件は下にある3つでしたので、今回要件はより具体化、そして緩和されたとことになります。
ここで、以前紹介した「東京商工リサーチが昨年実施した以下のアンケート調査結果」を再度取り上げてみたいと思います。(下レポートの6ページ目からの抜粋)
「中小企業の4割が使う信用保証制度では、融資の7割で経営者保証が使われている」(日経新聞記事)とのことですが、上のアンケート結果によれば、約30%の中小事業者は「保証料を上乗せされても経営者保証を外したい」という意見のようです。新制度での上乗せ料率は(政府補助なしで)0.25~0.45%になりますが、現在経営者保証付きの融資を受けられている事業者の皆さま、どう思われますか?
新制度は3月15日より申込受付が開始されます。保証協会への保証料を少し上乗せされてでも経営者保証を外したい事業者は、取引先の金融機関へ相談してみては如何でしょうか?