昨年来の新型コロナの影響で深刻な売上不振に陥り、財務基盤が悪化している事業者も増えているかと思います。資金繰りに関しては、政府は実質無利子・無担保融資や返済猶予等で事業者を支援してきましたが、結果、「過剰債務」になっていると感じている事業者も多いのではないでしょうか?
東京商工リサーチ(TSR)は、今月「債務の過剰感についてアンケート調査」を実施し、一昨日に下URLにあるレポートを公表しています。
1)第3回過剰債務に関するアンケート:中小企業の「過剰債務率」が過去最悪の35.7%
>>https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210817_01.html
以下、簡単なサマリーになります。
①中小企業の3社に1社が「過剰債務」
- 下の円グラフにあるとおり、過剰債務と回答した中小企業の割合は約36%。(前回調査は34.2%)
- 「国や自治体、金融機関の資金繰り支援で倒産は抑制されている。だが、資金繰りが一時的に緩和しても、業績不振から抜け出せない企業が水面下で過剰債務に直面している実態を改めて浮き彫りにした。」
②業種別「過剰債務率」 飲食店や宿泊業が上位に
下の表が業種別のアンケート結果ですが、やはり上位は、新型コロナの影響を一番強く受けているサービス業となっています。
③「過剰債務」が事業再構築の足かせ、3社に1社
事業再構築の取り組み状況に関する設問では、過剰債務を理由に「取り組むことができない」「取り組み規模縮小」との回答が過剰債務を抱える企業の34・3%となってます。債務が構造改革の足かせになっているようです。
以下、私見になりますが;(誰もが思っていることでしょうが)
債務を減らし財務基盤を回復・強化するためには、一般的に様々な管理を強化・改善することも大切でしょう。(原価、在庫、売掛金などなど)とはいえ、今は非常時です。今一番重要なことは、売上・粗利をコロナ前のレベルに回復させることです。売上・粗利を上げれば、自動的に財務基盤は良くなります!(例外はありますが)
そのためには、サービス業を中心に(リスクを取ってでも)思い切った「事業再構築」が必須である事業者も多いかと思います。でも、思い切った再構築事業を始めるには「お金」が必要ですよね。
「 過剰債務が事業再構築の足かせ」となっているとのことですが、その意味でも是非「事業再構築補助金」を活用頂ければと思います。私の個人的な予想・期待ですが、9月上旬には大枠が判明する本年の「1次補正予算」において、事業再構築補助金を始めとする主要補助金が拡充されるはずだと思っています。