今朝の新聞各紙の報道にあるとおり、昨日政府は物価の上昇を踏まえた総額6.2兆円(国費)の緊急対策を決定しました。財源は、既存の予備費(1.5兆円)、補正予算(2.7兆円)、その他となっています。
*NHK関連Web記事:「給付金や補助金 政府 物価上昇の緊急対策決定 中身は?」 >>https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220426/k10013599761000.html
この緊急対策に関し、政府が公表した資料は以下のとおりです。
*緊急対策の概要>>https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genyukakaku_bukkakoutou/pdf/gaiyou.pdf
*緊急対策(本文)>>https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genyukakaku_bukkakoutou/pdf/honbun.pdf
以下、今回の緊急対策の中の「中小企業支援策」(総額1.3兆円程度)のみピックアップしてみたいと思います。(「」内は上の緊急対策(本文)からの抜粋になります。)
①事業再構築補助金の拡充(物価高騰対策の特別枠新設)
緊急対策(本文)には以下のとおりあります。
「事業再構築補助金を拡充し、新型コロナウイルス感染症に加え、原油価格高騰等の影響も受ける事業者への支援を強化する。」
物価高騰対策の特別枠が新設されることになりますが、予算額・開始時期を含め詳細は不明です。物価高騰対策は当補助金の新たな主旨・狙いになりますので、(私見ですが)この特別枠の申請要件(売上減)は今までとは異なるかもしれません。後日、事務局より特別枠の概要・詳細が発表になるかと思います。
②事業者へのセーフティーネット貸付の更なる金利引下げ
「ウクライナ情勢・原油価格上昇等の影響を受けている中小企業等の事業者(ロシア等と多くの取引がある事業者、国際決済の影響を受けている事業者も含む)の資金繰りに支障が生じないよう、官民金融機関に対し、返済猶予の相談に適切に対応するなど、きめ細かな事業者支援を促すとともに、中小企業への資金繰り支援として、セーフティネット貸付の更なる金利引下げを行う。」
③事業者への実質無利子・無担保融資等を9月末まで延長
「新型コロナウイルス感染症で影響を受けた事業者に対し、政府系金融機関による実質無利子・無担保融資及び危機対応融資等の9月末までの延長を行い、資金繰り支援に万全を期す。」
④雇用調整助成金の特例措置等の延長
「雇用調整助成金の新型コロナウイルス感染症にかかる特例措置等について、原油価格・物価高騰等による影響がコロナ禍からの経済回復に及ぼす影響も十分に踏まえ、延長も含め、具体的な助成内容を検討の上、5月末までに可及的速やかに公表する」
⑤新地方創生臨時交付金の拡充(物価高騰対策分の創設)
以下、緊急対策(本文)からの抜粋ですが、今後各自治体独自の物価高騰対策のための事業者支援策が出てくるかもしてません。
「地方公共団体が、コロナ禍において原油価格や電気・ガス料金を含む物価の高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担の軽減を、地域の実情に応じ、きめ細やかに実施できるよう、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を拡充し、「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」を創設する。」
*今秋の大型補正予算編成の可能性について
今回の補正予算は比較的小規模かと思いますが、首相は「2段階のアプローチで万全の経済財政運営を行う」と述べ、今回の緊急対策は1段階目の対応だと説明しています。2段階目の経済対策については、6月までにまとめる「新しい資本主義」の実行計画を踏まえ検討していくようです。つまり、秋の臨時国会で大型補正予算が編成されそうですね。その際は、新たに中小企業支援策が盛り込まれるかと考えます。