政府は毎年6月に経済財政運営の基本方針である「骨太の方針」を公表していますが、先週この原案を公表しました。右URL資料が【骨太の方針2024】原案になります。>> shiryo_01.pdf (cao.go.jp)
そこで、本日より数回にわたり当資料について書いてみたいと思います。まずは、以下、今回の骨太原案の中から経済の基本方針に係わる事項について簡単に解説します。
1)骨太の方針2024の基本方針、事業者への影響
当資料の冒頭には以下の記載がありますが、今回の骨太の方針のタイトルは「デフレ完全脱却の実現に向けて」と言っても良いかと思います。
「我が国経済は、現在、デフレから完全に脱却し、成長型の経済を実現させる千載一遇の歴史的チャンスを迎えている。(中略)二度とデフレに戻らせることなく、「コストカット」が続いてきた日本経済を成長型の新たなステージへと移行させていくことが、経済財政運営における最重要課題となっている。」
ここでいう「成長型の新たなステージ」に移行した場合の中小事業者への影響・ビジネス環境は、以下のとおりかと考えます。
- 過去30年のデフレ期には見られなかった持続的な経済成長
- 適度な物価上昇(2%の物価安定目標)
- 適切な金利のあるビジネス環境
- 物価上昇を上回るような賃金の上昇(政府の期待)
物価高・賃金上昇については、既に現在進行形で続いています。その対応に現在苦慮している経営者も多いかと思いますが、中長期のスパンでも原価等のコスト高、人件費の増加、金利増などを前提とした「持続的に利益を確保できる経営」が一層求められることになります。成長志向でない事業者においても、今後のコスト増をカバーするために最低限必要な増収増益を図っていく必要があるでしょう。
以下、当資料の基本方針部分を抜粋しましたので、さらっとでも目を通していただければと思います。次回の配信では、骨太の方針2024の中の【事業者支援方針】について書いてみます。