政府が「成長志向の事業者創出に向けた支援方針」を公表!~補助金より人的な経営者支援へ~

経営知識

先日は政府の骨太の方針(原案)の中の事業者支援方針について触れましたが、支援方針のひとつが「成長力のある中堅企業の振興や売上高100億円以上の企業など中堅企業への成長を目指す中小企業の振興を行うため、予算・税制等により、集中支援を行う」というものでした。

これを受け、先週経産省は「成長志向の中小企業の創出に向けた政策」を公表しました。本日は当政策について書いてみます!

*中小企業庁HP:「成長志向の中小企業の創出を目指す政策の検討成果と今後の方向性」              >>002.pdf (meti.go.jp)

1)何故、「100億企業」などの成長企業創出が重要なのか?

以下、当資料からの抜粋ですが、政府が売上高100億円以上の中堅企業が増えることを渇望しているのは当然でしょう。文中には「売上高100億円以上の企業は現在1.4万社(企業数全体の0.4%)、最近10年間又は20年間で売上
高1~10億円から100億円超に成長した企業は178社のみ」とありますが、ドイツのような国と比べても非常に少ないのは確かかと思います。小規模事業者の持続化も非常に重要な方針のひとつであることには変わりありませんが、今後は100億円以上の中堅企業を増やしていくことに一層注力したいようです。

2)成長志向の中小企業の飛躍的成長に向けた今後の支援の方向性

以下、当資料からの抜粋になります。下にある通り目立った補助金なく、中小が成長を遂げるには経営者の経営力強化が重要とし、専門家による伴走支援の強化や経営者のネットワーク構築支援等が主要な施策となっています。今後は補助金などで経営資源を補う従来型の支援に加え、経営者の成長意欲を喚起する契機を作り、経営力のある人材が中小経営を担う動きを後押しする政策を重視する考えのようです。以下、代表的な施策になります。

  • 「経営力再構築伴走支援」(専門家派遣)>>経営者等との「対話と傾聴」を通じて、企業の「本質的課題」に
    対する経営者の「気づき・腹落ち」を促し、社内の「能動的アクション・潜在力」を引き出すことで、企業の「自己変革、自走化」を目指す支援。全国の各経済産業局、各よろず支援拠点を中心に支援する方針。
  • 「イノベーション・プロヂューサー」の派遣(専門家派遣)>>中小企業が大きく成長を遂げるイノベーションを推進・サポートする支援。

私見になりますが、事業者支援の方向性としては全く正しいものと賛同します!補助金等の金銭面でのサポートは短期的は非常に大きな支援ですが、長期的に飛躍したい企業にとっては「お金」より、成長を実現するために頼りになる人的な各種サポート(コンサルティング)の方が有難いのではないでしょうか?ただ、懸案事項として、実際に支援する人材を質・量の面で十分確保できるかがキーになるような気がします。(特に地方において)伴走支援する、イノベーション創出を支援することは素晴らしい事でしょうが、成長意欲のある事業者が納得する、喜んでもらえることが肝要です。(そのような事業者の要求レベルは高いでしょうから)政府にはこの点十分考慮して、必要な予算・体制を確保してもらいたいものです。事業者が納得する価値のあるサポートであれば、有償にしても良いのではないかと個人的に思います。

以上、「成長志向の中小企業の創出に向けた政策」の概要になりますが、支援内容の詳細にご関心のある方は是非当資料(002.pdf (meti.go.jp))に目を通してみてください。

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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