当ブログでも最近は、今後の積極的な経済対策について触れてます。本日、衆院選が公示になり、本日の新聞各紙は各政党の経済対策を含む政策について大きく扱っているようです。
現在も新型コロナの影響が継続する中、来年度も積極的な経済対策・財政出動が必要でしょうが、一方「財政規律」を無視することはできなかとも考えます。ということで、当方、経済の素人ではありますが、本日は日本の財政状況について書いてみたいと思います。現在の財政状況について一番わかりやすく説明してるの、下にある財務省の資料のように思われます。
「これからの日本のために財政を考える」(財務省作成:令和3年4月)
>>https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202104_kanryaku.pdf
多くの方が既にご存じでしょうが。以下、上の資料から興味深いデータを2つ取り上げてみます。
個人的なことですが、私は1989~1997年の8年間イタリアにおりました。当時のイタリアの財政状況は最悪であり、EU・ユーロに加盟するための財務上の要件(単年度財政赤字:対GDP比3%以内、累積財政赤字:対GDP比60%以内)を達成するために必死だったことを思い出します。その当時(バブル崩壊の前後)の日本の財政状況は、イタリアより大分健全だったことを憶えています。上の表のとおり累積財政赤字の対GDP比も60%ぐらいでしたから。
その後、会計歳出・国債発行額が増加の一途をたどりましたが、GDPが伸びず、2009年には累積財政赤字が200%を超え、イタリアを含む先進国の中で最悪の数字となっております。もし、本年度の補正予算額が30兆円ほどであれば、300%近い数字になりそうな気がします。
確かに日本の債務は、他国とは異なり、以下の特徴がありますので、財政破綻はないと言われています。
*国債が全て円で発行されている
*政府の金融資産が614兆円もある
*日本の対外純資産は世界一の規模
*家計の金融資産が1900兆円もある
とはいえ、このような財政状況がいつまでも続いていいはずはないことも事実かと思います。今後将来的に経済(GDP)が大きく成長してくれれば、財政指標も相対的に良くなってくるのでしょうが、そう楽観的に考えるのも難しいでしょう。いづれにせよ、将来の世代のことを考えれば、「財政規律」を無視することはできないかと考えます。