近年、働きがいをより重視した経営を志向する「人的資本経営」や、社員、顧客、取引先、環境などの自社を取り巻く幅広いステークホルダーと良好な関係性を構築する「ステークホルダー資本主義」の考え方が広まっているようですね。大分前のことですが、このブログでも社員の幸福度を重視する経営スタンスとして「ウェルビーイング経営」を紹介しました。(>>https://www.yano-support.com/management/ymowellbeing/)
先週、近畿経済産業局が(ステークホルダーの中でも)「社員」を経営の中心に据えた考え方に関する面白い調査レポートを公表しましたので、以下ご紹介します!
*近畿経済産業局HP公表記事:BE THE LOVED COMPANY – 社員に、顧客に、地域に、社会に「愛される」会社になろう -(近畿経済産業局) (meti.go.jp)
1)近畿経済産業局レポートの概要:LC_report_summary.pdf (meti.go.jp)
当レポートは、「良質な雇用機会の創出」と「付加価値の向上」の両立を志向する中堅・中小企業45社へ経営の根幹の考え方や、その考えを浸透させる具体的なアクションについてインタビュー調査したものです。調査結果のポイントは以下のとおりとしています。です。
- 上記企業群に共通する特徴は、「社員」を経営の中心に据え、社員の幸せを経営の最大の目的としている点でした。社員が働くことで幸せを享受できるように、主に社員との最適な関係性・環境・経営状況をつくりだすことで、(急激ではない)持続的な付加価値向上と雇用の創出・定着を上手く循環させている示唆がありました。
- また、社員を中心にマルチステークホルダーを意識した経営が、企業の価値創造とガバナンスの両面から寄与する可能性も示唆されました。
- そのような特徴を踏まえ、今回の調査では、そうした経営をデザインするための具体的なアクションを「会社の羅針盤をつくり伝える」「永続的な成長を目指す経営戦略」「組織をデザインする(制度より風土づくり)」の3つの観点、22項目で整理するとともに、取材先企業の取組事例をとりまとめました。
上にあるとおり、このレポートでは3つの観点から整理していますが、「社員の幸せを中心とする経営」を以下のとおり因数分解しています。面白い分析フレームワークですね!皆さまのご意見は如何でしょうか?
また、「社員の幸せを中心とする経営」を実践しつつある会社さんは、以下の通り目に見える成果が表れているようです。「社員の幸せを中心とする経営」にシフトする前と後での違い・効果ですが、これだけ見ると、売上・利益共に伸びており、離職率も下がっていますね。
以上、要点のみ書いてみましたが、当レポートにご関心のある方は、上URLの概要版、完全版(LC_report.pdf (meti.go.jp))にも目を通してみては如何でしょうか?下にある取り組み事例が多く掲載されております。