景気はコロナ禍から徐々に回復しつつあるようですが、昨今の原材料・物価高騰の影響もあり、苦しんでいる中小企業は依然多いかと思われます。このような現況の中、多くの事業者が金融機関から受けたゼロゼロ融資の返済開始時期は2023年7月~2024年4月に集中するようです。そこで、政府は返済困難な企業の経営再建を後押しするため、来年1月10日より「コロナ借換保証」を開始します!
1)中小事業者のゼロゼロ融資の返済見通し【東京商工リサーチ調査結果】
以下、東京商工リサーチが今月実施した「第25回新型コロナウイルスに関するアンケート調査」(スライド タイトルなし (tsr-net.co.jp))からの抜粋になりますが、中小事業者においてはゼロゼロ融資の返済見通しに関し「非常に懸念がある」「少し懸念がある」と回答した割合は合計で26.3%となっており、4社に1社がゼロゼロ融資返済に懸念を持っていることが分かります。今回のコロナ借換保証は、そのような返済に懸念のある事業者を支援する制度になります。
2)コロナ借換保証の概要について
コロナ借換保証の概要は下のスライドの通り。 >>中小企業庁HP:https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
ゼロゼロ融資の借換の主なメリットですが、以下のとおりかと考えます。
- 金融機関と相談の上、返済時期を先延ばす。(保証の対象期間は10年以内とし、借り換えた場合の元本の返済は最長5年間猶予する)
- 信用保証協会に支払う信用保証料が大幅に引き下げられる。
- 新たな資金需要があれば、金融機関に対応してもらえる可能性もある。(事業再構築に伴う資金需要など)
ただし、このコロナ借換保証を受けるためには以下の要件を満たす必要がありますので、ご留意ください。
- 売上または利益率が5%以上減少、もしくはセーフティネット4号または5号の認定取得が要件
- 金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることが要件
上記「経営行動計画書」サンプルは以下のスライドになります。(>>keikaku_sample.pdf (meti.go.jp))
いづれにせよ、このコロナ借換保証の活用をご希望の事業者は、来月以降ゼロゼロ融資を受けている民間金融機関へご相談ください!
最後に、政府系の日本政策金融公庫ですが、公庫もゼロゼロ融資の借換に対応していますので、直接ご相談いただければと思います。