本題の前にひとつ。本日、臨時国会が召集され、今回の期限である今月21日までに先日閣議決定された令和3年度補正予算案が成立する運びになるかと思います。
さて、先週は経産省の補正予算案にある各種補助金について色々お伝えしましたが、本日事業者への「資金繰り支援策」について解説したいと思います。
以下、最近、経産省・中小企業庁が公表した「資金繰り支援」のチラシになります。 >>https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/shikinguri.pdf
1)政府系金融機関による実質無利子・無担保融資
これは、昨年4月から始まったコロナ対応の「ゼロ・ゼロ融資」のことです。(無担保・無利子の融資)民間金融機関では現時点で終了していますが、政府系金融機関(日本公庫・商工中金)では来年3月まで「ゼロ・ゼロ融資」が継続になります。(個人的に政府系金融機関だけとは、ちょっと不公平のような気もするのですが?)
2)日本政策金融公庫による資本性劣後ローン
「資本性劣後ローン」とは、簡単に言えば、以下のような融資制度です。
- 融資期間(20年・15年・10年・7年・5年)の間は元本の返済は必要ないが、金利は毎月支払う必要がある。
- 返済は満期に一括返済する必要がある。つまり、10年融資であれば、10年後に一括返済。
- 資金繰りは大変助かるが、金利は通常の融資より高め。
- 会社が倒産した場合などに回収可能性が極めて低い資金であるため、資本に近い資金として、「資本性」「劣後」という名称がつけられ、貸借対照表上では資本に見なされる。
資本性劣後ローンの概要については下URLご覧ください!(JNet21の記事) >>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/taisaku/teate/retsugo.html
今回の補正予算案には下の図のとおり、1400億円ほどが計上されています。ただし、この金額は真水(金利補てん等の支出)ではなく、日本公庫への貸付のようですね。(間違いかもしれませんが、そのように見えます)
- いづれにせよ、「当初3年間の利率が0.5%」とは、資本性ローンとしては相当低い金利ですね。
- 個人的な印象として「資本性劣後ローン」は色々申請要件があり、通常は小規模事業者には難しい場合が多いという印象があります。ただし、新型コロナ対応ということですので、日本公庫の対応も柔軟なのかもしれません。ご関心のある方は日本政策金融公庫へお問い合わせいただければと思います。
3)伴走支援型特別保証
- 金融機関による中小企業者に対する継続的な伴走支援などを条件に、信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げるのが、「伴走支援型特別保証制度」になります。
- 下の表が制度概要ですが(補償限度額が6000万円に今回変更になりますが)、保証協会の保証料が0.2%とは相当低いですね。(普通は、0.85%と下には書いてありますので)
- ただし、申請要件として、「セーフティーネットの認定」「経営行動計画書の作成」「金融機関が継続的に伴走支援すること」等あります。