ご承知の通り、日本企業の生産性は、海外の先進諸国と比べかなり低いものになっており、近年政府は「デジタル化・DX」の必要性を声高に唱えています。当方も長く欧州に駐在しておりましたが、生産性の低さはともかく、日本の中小事業者におけるIT化・デジタル化は、欧州の中小事業者と比べかなり遅れていることは事実かと思います。
そこで、今回は国・県が進めている事業者へのIT化・デジタル化支援の一つである「IT専門家活用支援」についてまとめてみたいと思います。以下、当方がまとめた各種IT専門家派遣制度のサマリー表になります。
支援策名 | 事務局 | 費用 | ||
① | 中小企業デジタル化応援隊 | 国 | 中小機構 | 費用(専門家への謝金)の3500円/時間を支援。超過部分は自己負担 |
② | IT経営簡易診断 | 国 | 中小機構 | 無料:IT専門家による3回の訪問診断 |
③ | 中小企業119(旧:ミラサポ専門家派遣事業) | 国 | 中小企業庁 | 3回/年まで無料 |
④ | 和歌山県のIT専門家派遣事業 | 県 | 商工会・商工会議所 | 3回無料(2022年1月末までの受付) |
⑤ | わかやま産業振興財団の専門家派遣事業 | 県 | わかやま産業振興財団 | 費用(専門家への謝金)の2/3を支援 1/3は自己負担 |
以下、上の5つのIT専門家制度に関する簡単な解説になります。
- ①中小企業デジタル化応援隊
- >>昨年始まった中小企業庁の事業者支援策ですが、本年も第二期として継続になりました。昨年の予算額は100億円でしたので、かなり大きな事業です。事業者がIT活用に関する悩み事・相談内容を登録すると、事務局がそれに適したIT専門家を紹介・マッチングしてくれます。当然、事業者が自らIT専門家を指名してもOKです。詳細情報は下URLの特設サイトをご覧ください。
- >>https://digitalization-support.jp/
- ②IT経営簡易診断
- >>これも昨年始まった中小機構の事業者支援策です。昨年、私も「よろず支援拠点」として3事業者へ当制度を推奨し、実際にこのIT簡易診断を実施しました。約2か月ぐらい3回にわたり中小機構から派遣されたIT専門家2名が、事業者を訪問の上、IT活用の現状・課題をヒアリングし、最終的に解決するための方向性等を提案してくれます。会社内のIT活用全体、改善の方向性など悩んでいる事業者へはお勧めです。詳細情報は下URLの特設サイトをご覧ください。
- >>https://www.smrj.go.jp/sme/enhancement/diagnosis/?_fsi=rTed3CYN
- ③中小企業119
- >>昨年までは「ミラサポ専門家派遣事業」と呼ばれていた制度です。当制度を活用したい事業者様は、是非和歌山県よろず支援拠点まで連絡してください。詳細情報は下URLの特設サイトをご覧ください。
- >>https://chusho119.go.jp/
- ④和歌山県のIT専門家派遣事業
- >>商工会・商工会議所のエキスパートバンク制度を拡充したIT専門家派遣制度化かと思われます。2022年1月末まで申し込めば、3回まで無料です。是非、ご活用ください。詳細情報は下URLの特設サイトをご覧ください。
- >>https://bit.ly/3fILjzE
- ⑤わかやま産業振興財団の専門家派遣事業
- >>昨年まで私も在籍していました「わかやま産業振興財団」の専門家派遣制度です。詳しくは表にあるURLへアクセスしてください。詳細情報は下URLの特設サイトをご覧ください。
- >>http://www.yarukiouendan.jp/hojo/shakens.html
以上、5つのIT専門家派遣制度を案内したが、サイトにある詳細情報を確認の上、適した制度を活用いただければと思います。また、複数の制度を活用して同じIT専門家からより厚く・継続的に支援を受けることも可能かと思います。例えば、④の県の制度で3回無料で支援を受けてから、今度は同じ専門家に①デジタル応援隊事業に専門家登録してもらい、デジタル応援隊事業で引き続き支援を受けることも可能です。
中小事業者におかれては、生産性向上のためのIT・デジタル活用は必須、「待ったなし」かと確信しております。是非、表にある公的なIT専門家派遣制度を活用していただければ幸いです。