今朝のブログ記事で、補助金事務局からの正式発表の前に、日刊工業新聞が事業再構築補助金【通常枠】等の採択結果概要について報じたことをお知らせしました。
当方、今日の午後は仕事の打ち合わせで自宅に帰ってきたの18時、当然1次締切分の採択結果は発表されているかと「ドキドキしながら」事務局HPへアクセスしましたが、サーバーがパンクした模様でHPへアクセスできません。「事務局のパソナは何をやっているんだ!」と思いながら、5分ごとのアクセスしても繋がらなない。そこへ、和歌山県事業再構築等総合相談窓口」で間接的にサポートしている某メーカーの担当者から「採択されました!ありがとうございました!」との電話を受け、「どこで結果が分かったんですか?」と聞いたところ、申請者へは個別に採択・不採択のメールが届いているとのことでした。(GビズIDのマイページで通知しているとのことでした)なるほど、申請者にはしっかりメールで採択結果を個別に通知しているようなので一安心。
その後もHPの復旧を待ち続けましたが、つながりません。しょうがないので、AbemaTVで藤井二冠と渡辺名人の棋聖戦第2局を見ながら、採択結果を待ちきれず飲み始めました!私がフルでサポートした事業者も採択されたことを確認できたので、気分良く飲めます。(採択の自信はありながらも、補助申請額が上限の6000万円でしたので、結構ドキドキしてました)
さて、前置きはこれいぐらいにして、さきほど事務局HPがやっと見れるようになりました。以下、今回の事業再構築補助金【通常枠】の採択結果について解説したいと思います。(採択者が少ない「卒業枠」等については割愛します。)
事務局HPの採択結果ページは右URL:https://jigyou-saikouchiku.jp/result.php
1)通常枠の申請者数、採択者数、採択率はどうだったか?(全国と和歌山県)
(注)和歌山県の「申請者数」は、受付番号からの推定数になります。故に和歌山県の採択率も推定です。
【全国】
- 単なる申請者数をベースにした通常枠の採択率は30%、個人的な予想よりも大分低いものになりました。特別枠を含む1次締切分の採択者数は8016者であり、日刊工業新聞によると「1次締切分の採択金額は、2200億円、ちょうど予算額の1/5とのことです。トータルで5回の公募締切を予定してますので、今回はちょうど均等に1回分の予算を使っての採択となったかと思います。予想はしていましたが、「特別枠」の審査にと比較すると「通常枠」の審査は相当厳しいものだったと思われます。(ただし、通常枠でも補助金額の多寡によって、採択率・採択されやすさは異なるのでと推察はしますが、そこまでは今のところデータを公表してません。だって、同じ通常枠でも、補助金額1000万円と6000万円では審査の厳しさが異なって当然と個人的に思いますので)
- 特別枠、通常枠等の1次締切分の採択者数は8016、採択金額は2200億ですので、平均の1採択者の補助金額は2700万円ほどになります。通常枠だけであれば、平均の補助金額は当然3000万円を超えるレベルかと思います。
- 通常枠では「申請要件を満たさなかった事業者数」が全体の12.5%となってます。満たさなかった主な理由は、「事業再構築の指針に該当しなかった」と審査員から判断されたことではないかと推察しますが、この点も事務局には理由を公表してもらいたいものです。
【和歌山県と近畿ブロック】
- 下の表が今回の和歌山県を含む近畿ブロックの採択結果になります。
(注)「申請者数」「採択率」は、受付番号からの推定数になりますので、その点ご注意ください。
- (注)に書いた通り、申請者数はあくまでも「受付番号」からの推定ですが、近畿ブロック(7府県)の平均採択率は29%とほぼ全国平均(30%)と同じになってます。特別枠とは異なり、通常枠では都道府県別のバラツキはあまりないようです。(近畿ブロックだけの分析ですが)
- 我が和歌山県に関しては、採択率は平均以上ですが、申請者数が比較的にちょっとだけ少ないように思われます。今後、補助金を活用して思い切った事業再構築にチャレンジされる事業者が、もっと増えることを期待しています。。
2)業種別の申請状況は? 事業再構築の事業計画内容の傾向は?
今朝の速報記事に書いた通り、日刊工業新聞は採択者の業種別分析について以下のとおり書いております。
「採択に占める業種別の割合は製造業が最多の31・7%で、宿泊・飲食業が21・8%、卸売り・小売業が12・4%、建設業が6・7%と続いた。」
今一番注目されている補助金ですので、今後事務局が業種別、補助金額レンジ別など詳細なデータ分析をHPで公表することを期待したいと思います。
3)今回の【通常枠】採択結果についての感想
一昨日の「特別枠」の採択結果を見る限り、正直「審査は結構甘い」と思っていました。繰り返しますが、「通常枠」では補助金額が大きいこともあり、審査はより厳しいことが当然であり、採択率も低くなるとは予想していました。しかし、今回の「通常枠」の結果は予想以上に厳しかったと個人的に思ってます。
仕事柄不採択になった事業計画書にも幾つか目を通してますが、「仮に、採択率30~40%ぐらいのものづくり補助金へ申請していても、採択になっているはずである」と個人的に思ってしまう計画書もありました。それぐらい、「特別枠」と比べれば、格段に審査が厳しかったのではないかと考えます。
ただし、総予算1兆1千億の1/5を費やしての結果ですから、「まあ、そうか」とも思います。
4)2次締切以降に申請される事業者様へのアドバイス
今回の採択結果を踏まえると、(補助金額1500万円以上の)「通常枠」への申請においては、ものづくり補助金以上の精緻な事業計画書(A4で15枚以内で)の作成が必要になると考えます。特に補助金額4000~6000万円以上の案件については、「事業性」(商売として成り立るのか?)の記述が、非常に大切と考えます。以下、本日の日刊工業新聞記事からの抜粋になります。
「今回の補助金事業のもう一つの狙いが、より多くの経営者に自ら経営計画を策定してもらうことだ。補助金の申請には事業再構築に向けた計画書を金融機関や税理士などの専門家と具体的に策定することが求められる。着実に実現できる計画を的確に示せているかが審査のポイントになる。」
特別枠同様に、今回の通常枠の採択者リストが「事業計画書の概要説明」を併せて公表されています。 >>https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/tsujyo_gaiyo01.pdf 上URLのPDF資料を、「Ctrl]+「F」キーでキーワード検索して、今回採択になった同業、同じ新規事業を計画している事業者がいるか見てみては如何でしょうか?
最後に、特に小規模事業者の皆様へのアドバイスですが、今回の結果を見ると、個人的に「特別枠」と「通常枠」の審査の基準が格段に違うような気がします。また、推測ではありますが、採択され易いのは「特別枠」というよりも「補助金額1500万円以下の案件」なのかもしれません?(1500万円以下の案件は、A4で10枚で書いてくださいと言っているわけですので、そこには何某かの審査の分岐点があると勘ぐってます。)
さあ、次回の2次締切は7月2日です。残念ながら、1次で不採択になった事業者様、2次でも「事前着手」は可能です。事業計画書をブラッシュアップアップして、再度リベンジしては如何でしょうか?
PS。日本酒を飲みながら記事を書いてましたら、書いている間に4合瓶を空けてしまいました。眠くなりました、皆さま、お休みなさい!