6月2日のYMOニュース⑤にて、以下の記事を配信しております。
YMOニュース⑤:「事業再構築補助金の行政事業レビュー「公開プロセス」を視聴してみました!」 >>https://www.yano-support.com/p-subsidy/ymoreview/
昨日、5月31日に実施された事業再構築補助金の行政レビュー「公開プロセス」の評価結果、議事録が以下のとおり公表されています。(下の評価結果資料、議事録には他2つの事業の内容も含まれてますので、ご注意ください)
1)経産省HP公表記事>>https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/kokai.html
2)事業再構築補助金の評価結果(事業再構築補助金のパートは2~6ページ) >>https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/evaluation2.pdf
3)事業再構築補助金の行政レビュー議事録 (事業再構築補助金のパートは1~28ページ) >>https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/minutes2.pdf
当レビューの結果、事業再構築補助金に関しては「事業内容の一部改善」となり、今後改善策を検討することなりました。以下、上の2)評価結果資料より、特に重要と思われる「論点」について抜粋しておきます。(詳しくは2)の資料本文をご覧ください)
○ 予算ありきで採択をしていくと、本来自ら投資すべき事業や、当初より撤退が予定されていた事業に対する補助が行われることになりかねないため、審査を厳格に行うべき。
○ 「再構築」ではなく、事業からの「撤退」も本来は選択肢ではないか?産業の新陳代謝を阻害していないかの検証は必要。
○ 67,000 者という「数値目標」に拘らず、将来性のある企業に支援をしぼるべき。予算消化ありきでは、補助金・支援に無駄が生じかねない。事業期間後に基金が余ったら(追加の募集や募集期間を延長するのではなく、速やかに一般会計に返金すること。
○ 審査基準を厳しくしすぎるより、検証、フォローアップを重視してほしい。
○ フォローアップを徹底するとともに必要に応じて「認定支援機関」にも成果報告を求めるべき。(ダブルチェックにもなる。
○ 補助事業終了後、5 年間は状況報告を求め、支援の効果をモニタリングするとのことだが、この情報は国民に開示するべき。
○ 「再構築」の名の下に中小企業の「延命」になっていないか?
○ 中小企業生産性革命推進事業を含めて支援のメニューが多すぎる。かつそれぞれの事業ごとに委託先が違うのは非効率。支援の窓口を「一本化」しても良い。
○ 対象企業が多いことから、審査が甘くなったり、地域差・業種差が顕著になっていないか、要検証。
以上、審査員からは色々改善点に関するコメントが出ています。最終評価は「一部改善」ですので、今後公募要領が大きく変わることはないと思いますが、この行政レビューを受け、ちょっとは変更にはなるのでしょうね。
「定性評価ではなく、できるだけ定量評価にできなか?」など意見が出てますが、事業計画を定量的に評価することはかなり限界があり、逆に定量評価に重きを置くと間違った評価になると個人的に考えてます。(一番のポイントである「事業性の評価」(商売として成り立つか?)など定量的に評価できるようなものではないですよね。) 審査員の裁量が大きくなるのは、今のところどうしようもないように思います。将来的にAIが人間のような評価ができるようになれば、ひょっとして定性評価を含めAIが事業計画書を評価する時代がくるかもしてませんね?