昨日、事業再構築補助金の特設サイト【採択結果ページ】に、事務局が1回目公募結果を分析した資料が掲載されています。(採択結果ページの右上にリンクが小さく出てますが、私も最初は気づきませんでした。)
事務局作成資料:「事業再構築補助金第1回公募の結果について」 >>https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou01.pdf
以下、当資料に関し、少し解説しておきます。
1)第1回公募の応募と採択結果
- 上の結果は、6月18日のブログ記事で説明したとおりの内容ですね。採択結果についての分析・感想は右のブログ記事のとおりです。 >>https://www.yano-support.com/b-subsidy/ymotujyowakukekka/
- 書類不備等で申請要件を満たさなかった応募の割合が13.5%もあります。これは、単なる書類上のミスなのでしょうか?それとも売上減、事業再構築要件などの申請要件を満たさなかった応募も含まれるのでしょうか?個人的に事務局には説明してほしいかと思います。
2)業種別の応募と採択割合について
- 事務局コメントに付け加えるならば、業種別の採択率に少し差がありますね。特に製造業の採択率は平均よりかなり高いようです。(応募件数が全体の23%なのに、採択件数ベースでは32%もありますので。)個人的な勘繰りとして、以下のような理由が考えられるかと思います。 *製造業ではものづくり補助金申請・事業計画書の作成経験のある事業者が多い。 *ひょっとして、製造業でも特別枠で申請した事業者も結構多かったのでは?
- あと、宿泊業・飲食サービス業の採択率も平均より高いですね。(応募件数が全体の18%、採択件数ベースでは23%)個人的に考える、理由は以下のとおり。(あくまでも推測です) *コロナの影響が一番大きいのは「宿泊・飲食業」かと思いますので、売上減による「事業再構築の必要性」の説得力が高かった? *宿泊・飲食業者は、他業種と比較しても小規模事業者が多く、特別枠へ申請・採択された人が多かった?
3)応募金額の分布(全類型合計)
- 応募金額が6000万円の申請が、個人的な予想より結構多かったと思います。上の表にある通り、確かに二極化してますね!
4)応募金額・採択金額の分布について(全類型合計)
- これは面白いデータですね。このグラフを見ると当然「応募金額別の採択率」を計算したくなります。正確に計算しなくても、以下の事は明確かと思います。 *「4501~6000万円」の採択率が、平均より高いですね。(応募金額ベースで23%、採択金額ベースで27%)やはり、補助金額が高額な事業者は、他の補助金額レンジと比較してしっかりと認定支援機関と事業計画書を練って作成したのかと考えます。いづれにせよ、これを見る限り、補助金額6000万円の案件でも、1500~4500万円の案件と比べて、採択率(採択され易さ、審査基準)に差がないということです。 *平均の採択率より明らかに低いのが、「1501~3000万円」ですね。(応募金額ベースで23%。採択金額ベースで17%)このレンジは特別枠ではありませんので、全て通常枠です。このレンジは、ひょっとして「4501~6000万円」の審査より甘くなるのかもしれないとも勘ぐってましたが、ほぼ同じ土俵での審査されたかもしれません。やはり、特別枠・通常枠は別にして「1500万円以を分岐点として、審査の厳しさが異なるのでは?」と思います。(この分岐点で計画書のページ数が10枚と15枚で異なるわけですので)
5)認定支援機関別応募・申請・採択状況
個人的に、認定支援機関別の「採択率」については、あまり意味がないと思ってます。金融機関では民間コンサルと提携していところも多くあるかと思いますし。(昨日の記事に書いたとおり)中小企業庁の部長さんも「良いビジネスパートナーを見つけるきっかけにして欲しい」と発言していましたが、認定支援機関は継続的に事業計画の進捗をフォローする信頼できるパートナーになって欲しいと思います。そして、事業者さんも、信頼できる認定支援機関を頼って、継続的にアドバイス・助言を求めてもらいたいと考えます。「補助金に採択されたら、公的支援機関・民間コンサルはもう必要ない!もう自分で全部できる!」という方もいらっしゃるかと思いますが、事業再構築計画の実現のため、本当に今回一緒に事業計画書を作り上げた認定支援機関等の専門家・公的指導員の協力が必要でないか再考して頂ければと思います。(検討の結果、そのバリューがないと判断されれば、致し方ないかとは思いますが。)私のことを言っているわけではありませんよ(笑)
以上、今回事務局が公表した資料を私なりに分析してみました。周知のことかもしれませんが、今後申請する事業者様へ一番言いたいのは以下のことです。
【やはり、特別枠・通常枠は関係なく、補助金額1500万円を分岐点として、審査の厳しさが異なるのでは?】
申請の際は、この点考慮して頂ければと思います。