5年ほど前、安倍政権が積極的に推進していた経営診断ツールである「ローカルベンチマーク」をご存じでしょうか? 個人的には大変興味深い、そして事業者が今の経営方針を見直するきっかけとなる良くできたツールだと当時は思ってました。しかし、その後政府もやる気をなくし下火になったかと思ってましたが、昨今の事業再構築補助金の必須データ(財務データだけですが)となったことで、政府も再びローカルベンチマークを推進すべきと考えたように思えます 。 そのせいか、先週、経産省は、ローカルベンチマークの作成方法について、分かりやすくまとめたガイドブック(企業編/支援機関編)を作成しました。
■ローカルベンチマークガイドブック(企業編)https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/locaben_guidebook_kigyou.pdf
■ローカルベンチマークガイドブック(支援機関編)https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/locaben_guidebook_shien.pdf
■ローカルベンチマークホームページ(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/
このガイドブックに目を通しての感想ですが、中小経営者にとって今の経営状態を見直し、今後の方向性を定める上で大変役に立つ資料かと思います。特に、現在注目されている事業再構築補助金への申請を検討されてい事業者様におかれては、(ちょっと失礼かもしれませんが)安易に再構築の方向を決めるのではなく、まずはこのガイドブック(企業編)を一読されてからでも遅くはないかと思います。是非、目を通していただければ嬉しいです。
以下、実際にローカルベンチマークを事業者との相談で活用した金融機関のその「効果」に関する調査結果です。皆様、このローカルベンチマーク、事業再構築の方向性を検討する際、役に立つツールと思いませんか?
個人的な意見として、コロナの影響を受け事業再構築を迫られている事業者においては、焦らずに、まずは今の商売・事業の足場をじっくりと見直し、今後の事業環境・自社のSWOTを分析することが重要と考えます。その上で自社にとって最適と考える「事業再構築の方向性」を見定めていただきたいと切望します。
当方、事業再構築の方向性について様々な相談を受けていますが、事業再構築補助金への申請を契機として「今までずっとやりたいと思っていた事業」をやりたいという事業者様も多くいらっしゃいます。やってみたいと思っていたことを具現化したいと思うことは当然ですし、相談を受ける者として尊重します。しかし、「本当に事業化できますか?(利益を出して継続できる)商売として成り立ちますか?その根拠は何ですか?」と厳しい質問とは分かってはいますが、いつも聞くようにしています。その際、ローカルベンチマークにあるような分析の基づき、この質問にちゃんと答えられないと、補助金採択はなかなか難しいかもしれません。正直「勘と経験」というだけでは、審査員には何の説得力もありません。
先日の記事でも書きましたが、「再構築性がきちっとあること」と「実現性があること」(絵空事ではない)ことが事業再構築補助金の事業計画書において「肝」になることかと考えます。