先日、事業再構築補助金において物価高騰対応の緊急対策枠が新設される旨お伝えしましたが、28日、当補助金の事務局がその大枠を公表していますので、以下簡単に解説しておきます。
原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)の説明資料 >>https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/saikouchiku_yobihi.pdf
1)新設される「緊急対策枠」の予算規模、及び開始時期
緊急対策枠の新設に伴い、新たに1000億円を予備費から計上することになりました。補助金としてはかなりの額ですね!
概要資料にあるとおり、公募開始は「7回公募から」とあります。ただし、「公募開始時期は調整中」とありますので、変更の可能性はあるのでしょうか?第7回公募は9月末締切ぐらいかと予想します。
2)「緊急対策枠」の申請要件・補助スキーム
まず、この緊急対策枠の補助スキーム概要を現在の通常枠と比較して以下の表にまとめてみました!
- 補助上限額は通常枠の半分(1/2)になりますが、補助率は中小企業で3/4と優遇されてます。
- ただし、上の表の*にあるとおり、従業員規模別に一定額を上回る分の補助率は2/3(中小企業)になります。
3)緊急対策枠の位置付け、及び申請要件
緊急対策枠の位置づけ・狙い、及び主な申請要件は、以下のとおりとなっています。
気になる「売上減」の要件ですが、「原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022年1月以降の売上高(又は付加価値額)が、2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少している」こととなったようです。多分、2022年1月以降の「いづれかの月」(単月)で10%減っていればOKということでしょうが、「詳細な制度設計は検討中」とありますので、確認が必要かと思います。
また、「新型コロナの影響を受けつつ」という文言も気になります。売上減の要件は上の①だけかと理解しますが、更に通常枠の売上減要件も満たす必要がある可能性もあるかと?(多分、それはないでしょうが?)
4)新たな加点項目、緊急対策枠の採択率の予想、今後の申請者の動向
次回6回公募(6月30日締切)から、上記3)にある緊急対策枠「主な申請要件」の①を満たす場合、他の申請枠での申請の場合でも加点されます。
概要資料には「事業再構築の取組を優先的に支援する「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」」とありますので、この申請枠は通常枠と比較して採択されやすいのは間違いないかと考えます。私の勝手な予想ですが、補助金額(通常枠の半分、応援枠の約2~3倍)を考えれば、50%程度の採択率になってもおかしくないかと思います。
最後に今後の申請者の動向ですが、緊急対策枠の申請要件を満たす事業者はかなりの数に上るかと思います。通常枠より採択されやすいことを考えると、今まで通常枠で申請していた事業者が相当数緊急対策枠へ移行してもおかしくない気がします。ちなみに以下、直近4回目公募の「応募金額別の申請者数」になります。ご参考まで。