現在公募中の事業再構築補助金第9回公募は今月24日に締め切られますが、その後すぐに第10回目公募が開始になります。(申請締切は6月下旬頃と予想します。)ご承知のとおり、第10回目公募から申請枠が以下のとおり大きく変更になりますので、本日は事務局が最近公表した情報を基に各申請枠の申請要件等について分かりやすく解説してみます。
1)各申請枠の申請要件のサマリー
最新の概要資料(r4_jigyo_saikoutiku_summary.pdf (jigyou-saikouchiku.go.jp)を基に、各申請枠の申請要件等を分かりやすくひとつの表にしてみました。各申請枠の詳細は表の右にある該当ページをご覧ください。
2)各申請枠の申請要件解説
①成長枠
- 事務局は通常枠の後継枠と言っていますが、今までの売上減要件は撤廃されました。
- 新たに事務局による業種指定が要件となってます。「取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属している」ことが要件です。(再構築事業の業種・業態であり、現業の業種・業態ではありません)
- 先週、事務局から指定する業種・業態のリスト(第1弾)が公表されました。>>seichowaku_list.pdf (jigyou-saikouchiku.go.jp「今後、業界団体等からの指定申請や事業者からの応募申請内容を審査し、要件を満たす業種・業態を追加していきます」とのことです。
- 通常枠にはなかった「賃上げ要件」が新たに入っています。「事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること」が具体的な要件です。
- 申請要件ではありませんが、成長枠では「事前着手」は認められません。
②産業構造転換枠
- 成長枠同様、今までの売上減要件は撤廃されました。
- 以下の以下のいずれかを満たすことが新たな要件となっています。 ①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること ②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
- ②については和歌山県の場合、有田市を中心にした地域が対象になる可能性があるかと思います。(ENEOSの撤退)公募開始時に事務局が指定された地域を公表するそうです。
- ①については、まだ事務局から指定する業種・業態のリストは公表されていません。近日中に公表されるかと予想します。成長枠同様、「今後、業界団体等からの指定申請や事業者からの応募申請内容を審査し、要件を満たす業種・業態を追加していきます」とのことです。
- 申請要件ではありませんが、成長枠同様「事前着手」は認められません。
③物価高騰対策・回復再生応援枠
- 売上減要件についてはは、以下のいずれかを満たすことが必要です。
①2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較して10%以上減少していること
②中小企業活性化協議会等から支援を受け、再生計画等を策定していること。 - 事前着手承認制度については、2022年12月2日以降であれば認められます。
④最低賃金枠
- 売上減要件は以下のとおりとなっています。
①2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年と比較して10%以上減少していること - 賃上げ要件は以下のとおりとなっています。
②2021年10月から2022年8月までの間で、3月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること - 事前着手承認制度については、2022年12月2日以降であれば認められます。
⑤グリーン成長策・サプライチェーン強靭化枠
他申請枠と比べ、グリーン成長策、及びサプライチェーン強靭化枠の申請要件はより複雑になっています。詳細は概要資料の該当するページを熟読する必要があります。
3)賃上げ等へのインセンティブ
成長枠、グリーン成長枠に限り、大幅賃上げを条件に補助上限額が3000万円上乗せされるか、又は補助率が引き上げになります。詳細は概要資料の9ページをご覧ください。