円安に関する事業者の対応状況調査結果、そして通貨安に伴う私個人の苦い体験について!

事業再構築補助金

ご承知の通り、今年に入ってから急激な円安傾向が続いています。昨日の円ドルレートは、1ドル133円台となっています。(昨日正午時点)今年1月のレートが約104円だったことを考えると、円安へ28%も変動したことになりますね。つまり、事業者がドル建てで海外から商品を仕入れてた場合、円ベースの仕入れ額が28%も上昇したことになります。

県内においても、海外から直接的、及び間接的に原材料・商品を購入しており、円安の影響を大きく受けている事業者も多いでしょう。そのような事業者においては、既に様々な対応を実施されているかとも思います。そこで、帝国データバンクが4月に実施した「円安に関する企業の対応状況アンケート調査結果」を紹介しておきます!

*帝国データバンク調査レポート:円安に関する企業の対応状況アンケート (tdb.co.jp)

「企業の 56.5%で円安対策を実施」しているとの結果です。

②「円安に対する具体的な対応策について尋ねたところ、「原材料やエネルギーコスト上昇分の販売価格への転嫁」(31.7%)が 3 割台でトップとなりました(複数回答、以下同)。次いで、「燃料費等の節約」(24.2%)や「固定費削減」(17.4%)、「仕入先・方法の変更」(8.9%)、「既存の仕入価格の変更」(7.5%)が上位に並んでいます。」(レポートからの抜粋)

当レポートの「まとめ」に書いてある通り、コロナ感染拡大・ウクライナ情勢にともなう原材料価格の高騰・不足が続くなか、急激な円安による仕入コストの上昇は二重の痛手として多くの企業に悪影響を与えています。それに加え。燃料や電力などに直結するエネルギーコストも上昇しています。まずは、自力での対応策を検討・実施いただければと思います。そして、今週に政府が策定予定の「経済対策第2弾」に有効な物価・原材料高騰への事業者支援策が盛り込まれることを期待したいところです。

現在の支援策においては、次回公募締切で新設された事業再構築補助金の「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」(緊急対策枠)の活用をお勧めしたいと思います。

*事業再構築補助金の「「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」(緊急対策枠)の概要資料                   >>saikouchiku_yobihi.pdf (jigyou-saikouchiku.go.jp)

この新設された申請枠の売上減要件は、他の申請枠とは大きく異なっております。下の要件を満たし、現状打破のための再構築事業を検討されているのであれば、事業再構築補助金「緊急対策枠」へ是非申請ください。

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余談(通貨安に伴う個人的な苦い体験)

私は前職でイタリアの現地販売法人で8年間駐在した経験があります。(30年前で、まだ通貨がユーロではなく、イタリア・リラだった頃です)欧州の中でも通貨(リラ)が弱すぎる時期であり、大変苦労しました!(皆さん、イタリア・リラで知ってますか?)

個人的には、給料はリラ建てで、すさまじいリラ安により現地給料が円ベースで初任給と同じになり(笑)、駐在員のメリットが全くなくなった(いや、お金だけを考えればデメリットとなった)と他社の若い日本人駐在員と吞みながら「ちょっと勘弁してくれよ!海外にいて初任給か!やってらんねえよ!」と各々の会社への不満を言い合っていたことを憶えています。(今になってみると懐かしい笑い話ですが)

商売では、日本・アジア製の商品を中心に欧州本社(オランダ)から輸入販売していました。商品の仕入れは(私の給料のように)リラ建てでなく、オランダの通貨であるダッチギルダー建てであり、為替リスクはイタリアの現地法人が負っていたわけです。対ギルダーの急激なリラ安により、(円ベースの私の給料とは逆に)仕入れ価格(リラ)が大幅に上昇し、どうしても値上げ(価格転嫁)せざるを得ない状況になりました。顧客(代理店)との軋轢が大きくなり関係が悪化したことを強く記憶しています。それでも、値上げは絶対に必要なことだったとことは間違いないです!

また、当時、私は管理業務(財務会計など)も担当しており、為替予約・SWAP等のリスクヘッジについて色々勉強したことも懐かしいです。最終的に買掛金の一部(原則、約半分)を為替予約する方針(ルール)に決めたのですが、当時教えられたことは;

「ともすれば為替ヘッジは「投機」にもなる。当社はメーカーの販売会社であり金融会社ではない。先の仕入れ価格を確定させることには意味があり、会社でルールを作ってやるべきでもある。しかし、「投機」(為替リスクヘッジで儲ける・競合他社より有利に立つ)に主眼に置いては絶対にいけない!あくまでの「売上を伸ばし」、「財務基盤を強固にする」ことが、当社の本業・使命である」ということです。まぁ、当たり前のことでしょうが!

その後の話ですが、「海外の販売子会社に為替リスクを負わせず、欧州本社・メーカー本社で為替リスクを負ってください。販売に集中させてください!」と親会社(オランダの欧州本社)へお願いし、数年後商品の仕入れをダッチ・ギルダー建てからリラ建てへ変えてもらうことができました。(イタリアンリラとかダッチギルダーなんて今の若い人は知らないでしょうね!(笑)

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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