一昨日、経産省は来年度(令和4年度)の当初予算の概算要求を公表しました。以下の概要図を見ると、来年の支援方針は、大きく以下の2つかと思います。
①コロナ禍にある事業者の「事業継続のための支援」>>資金繰り支援、月次支援金の給付など
②事業者の「事業再構築」「事業承継・再生」「生産性向上」に対する支援
①については明確かと思いますので、以下の②の支援方針、及び次回補正予算について私見を交えた簡単に解説します。
(注)事業者向けの大きな補助金(昨年の事業再構築補助金、ものづくり補助金など)は、毎年当初予算(概算要求)ではなく、「補正予算」に計上されます。今回判明したのは「当初予算の概算要求」であり、今年の補正予算は今後(9月か10月)詳細が判明するかと思います。(最近の報道では、20~30兆円規模の大型補正予算になりそうとのことです)
1)来年度の「事業再構築支援」について
上の概算要求概要には「事業再構築補助金について、随時運用改善を行いながら、新分野展開や業態転換等の果敢な取組への支援を行っているところ。引き続き、これらの取組を支援する」とあります。概算要求の予算額は、ほんの25億円の一部になります。(下のPR資料)しかし、この大きな支援方針を考えると、(今秋に成立する見込みの)次回補正予算において事業再構築補助金に追加予算が計上され、来年度も継続する可能性が高いと予想・期待します。昨年の1兆円超は無理としても、かなりの額になるのではないでしょうか?(あくまでの個人的な予想・期待ですので、その点ご留意ください)
2)生産性向上支援について(ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金)
概算要求資料には「生産性向上支援」について以下の記述があります。
「コロナの影響の長期化への対応や賃上げ原資の確保等のため、生産性革命補助金を通じ、設備投資・販路開拓・IT導入を促進しているところ。引き続き、研究開発促進・海外進出支援・DX等も含め、生産性の向上を図っていく。」
3主要補助金に関しては、2年前に「3年分の基金」として3600億円が当時の補正予算の中に計上されていますので、来年分の予算(多分1200億円ほど?)は確保さています。ただし、長期化しそうな新型コロナの影響、及び今年の最低賃金大幅UPを考えると、次回補正予算に追加予算が計上される可能性が高いと予想します。
3)事業承継支援(M&A含む)について
新型コロナ対策を除けば、中小企業庁の一番の課題は「事業承継」(M&A含む)と認識しています。具体的な補助金としては以下の「事業承継・引継ぎ補助金」がありますが、当初予算の概算要求でも本年度と比べ3倍に増額しています。(下のPR資料)多分、昨年同様、次回補正予算でも当補助金の予算が別途計上されるかと考えます。