先週11月29日、政府は今後の経済対策の財政的裏付けとなる2024年度補正予算案を閣議決定しました。予算額は約13兆9000億円であり、年末には臨時国会で成立する見込みです。予算案の中の経産省管轄分は総額で4.4兆円となっており、その内訳は以下の経産省公表資料のとおりです。大きいところで、半導体・AI・量子等の最先端分野への投資・支援として2兆円超、燃料電気ガス等のエネルギー価格軽減策に約1.6兆円が計上されています。
*経済産業省関係令和6年度補正予算案の概要 >> r6_point.pdf
気になる事業者支援のための主要補助金ですが、当方の予想を大きく上回る4800億円が計上されておりますので、その中身を以下解説してみます。
1)中小企業生産性革命推進事業【3,400 億円】:ものづくり補助金等の主要4補助金
以下、経産省公表資料からの抜粋です。(2ページ)
- ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の主要4補助金の予算として3400億円が計上されました、昨年の補正予算での計上額は2000億円でしたので、1400億円も増額されています。(対前年比で70%アップ)先日紹介した経済対策関連資料でも主要4補助金を拡充するとありましたが、予想以上の予算規模になったかと思います。
- 特に、政府の方針である「生産性向上・省力化」に効果のあるものづくり補助金、IT導入補助金の予算額が増えるのではないかと推測します。
- 特記事項として「売上高 100 億円を目指す成長志向の中小企業・小規模事業の成長投資をハード・ソフトの両面で支援する」とありますので、成長志向の事業者のための新たな申請枠、優遇策が出てくる可能性があるかと考えます。
- 今回の予算額増加に伴い補助上限額・補助率の上昇、公募回数の増加等が予想されますが、どうなるでしょう?各主要補助金の大枠(申請枠、補助上限額など)について、経産省が近日中に公表する補正予算案PR資料に掲載されるかと思いますので、判明し次第お知らせします。
- 余談ですが、後述する省力化投資補助金への予算割り当てがなくなったことで、その分4補助金への予算を上乗せできたのではなかと個人的に勘ぐっています。
2)大規模成長投資補助金【1400億円】
以下、経産省公表資料からの抜粋です。(2ページ)
- 今年2回の公募があった中堅・中小成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 | 経済産業省)に対し1400億円の予算が計上されました。
- この補助金は成長志向の高い規模の大きい中小企業が対象であり、工場新設・先端設備投資等に最低でも10億円投資することが要件になっています。(ハードルが高いです)
- 個人的に今年実施された2回の公募で打ち止めと思っていましたが、今回の予算額増加により来年に3次公募があると予想します。来年春ごろの公募開始となるのではないでしょうか?(あくまでも予想です)
- 今回の予算額増加の理由としては、「政府府方針として将来的に売上100億円を超える事業者を増やしたいこと」「今年の公募が大人気で多くの事業者が公募したこと(結果として競争率は非常に高かったのですが)」が大きかったのではないでしょうか。当補助金の詳細については、後日書いてみたいと思います。
3)省力化投資補助金: 中小企業省力化投資補助金
- 今回の補正予算案には省力化投資補助金への予算割り当てはありませんでしたが、当然、当補助金は来年も継続されます。当補助金は基金化されていますので、現在の基金残高で来年分の補助金支出額を賄えるということです。
- ここで、当補助金の最新情報を提供します。現時点で補助対象となっている商品カテゴリ数は36となっており、詳細は右URLにある商品カタログのとおりです。>>製品カタログ
- 徐々にですが、補助対象となる商品カテゴリ・製品数は増えています。ご興味のある方は、最新情報をフォローしてください。
以上、今回の補正予算案における主要補助金の最新情報ですが、一番上の予算案概要資料には経産省のその他事業者支援策も載っておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください。