先週22日、政府は事業規模39兆円、補正予算で約14兆円の総合経済対策を閣議決定しました!今回の経済対策では「日本・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心安全を柱とする」ことを強調し、様々な施策が盛り込まれています。石破首相の会見コメント、経済対策公表資料は下URLのとおりとなってます。
*石破首相会見コメント(官邸HP):令和6年11月22日 総合経済対策等についての会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ
**今回の経済対策の関連資料(内閣府HP): 経済対策等 : 経済財政政策 – 内閣府
本日は経済対策の中の事業者支援にフォーカスして解説しますが、会見の中で、石破首相は以下のようにコメントしています。
「最低賃金の引上げ、あるいは中小企業を始めとした事業者の皆様方が、確かにもうかり、現下の賃上げができますように、経営基盤の強化、成長のための支援、これは具体的には価格が転嫁されるということをちゃんと後押しをする仕組みを構築をし、実施をすると、あるいは、省力化、デジタル化投資、これを支援するということであります。」
具体的な支援策の内容については、閣議決定資料(1122_taisaku.pdf)の5~12ページにありますが、支援項目は以下のとおりです。
以下、上記支援策の中でも事業者が関心が高い補助金・助成金について解説してみます。
1)来年度の主要補助金について
上の関連資料には主要補助金について以下の記述があります。(閣議決定資料(1122_taisaku.pdf)の8ページ)
中小企業生産性革命推進事業とは、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4主要補助金のことです。「更に拡充する」とありますので、補正予算案での予算額が増える可能性があるかと思います。また、「カタログから選ぶような反省用製品の導入」とあるように、現行の省力化投資補助金についても触れています。更に、今回は「省力化、デジタル化投資」を強調しているようであり、関連資料の「経済対策~政策ファイル~」には下スライドが掲載されています。(3ページ目)「ITツール導入支援」とはIT導入補助金、「システム構築・設備投資支援」とはものづくり補助金のことですが、特にこの2つの補助金が拡充されるようですね。(申請枠によっては、ものづくり補助金の補助上限額が最大8000万円になると書かれています。)
その他の主要補助金について、今回の関連資料には事業再構築補助金についての記述はありませんでした。以前の記事でも書いた通り、来年の事業再構築補助金公募はないと考えた方が良いかと考えます。
関連資料には「地方においても賃上げが可能となるよう、中堅・中小企業が工場等の拠点を新設する場合や大規模な設備投資を行う場合についても支援を行う」とあり、今年2回の公募があった中堅・中小成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 | 経済産業省)についての記述があります。しかし、当補助金では先2年分の予算額を先取りして、今年の2回公募で既に予算を消化していると理解していますので、来年の公募はないのではという見方をしています。とはいえ、関連資料に当補助金の記述がある以上、ひょっとして予算額を増やして来年公募があるかもしれませんね???(あくまでも可能性ですが)
2)厚労省の主要な雇用関連助成金について
今回の経済対策関連資料には以下4つの助成金についての記述があります。これらの助成金については、来年に拡充されるかと予想します。厚労省の雇用関係助成金に監視のある方は、下URLをご覧の上、来年以降の申請・活用を検討されてみては如何でしょうか?
①業務改善助成金:業務改善助成金|厚生労働省
②キャリアアップ助成金:キャリアアップ助成金|厚生労働省
③両立支援等助成金:両立支援等助成金|厚生労働省
④65 歳超雇用推進助成金:65歳超雇用推進助成金 |厚生労働省
3)今後のスケジュールについて
今回閣議決定されたのは経済対策のみであり、その財政的裏付けとなる補正予算案は今月末に閣議決定される予定です。以下、今後のスケジュール予想となります。
当方が勝手に予想した主要補助金の公募スケジュールは右のとおりです。>>来年の経産省主要補助金の公募スケジュールを予想します! – YMO 来年に主要補助金の活用・申請をお考えの事業者は、そろそろ準備を始めてはいかがでしょうか?