4回目となる価格交渉・転嫁に関する調査結果!経産省が290社の評価結果を「実名」で公表!

経営知識

皆さまご存じの通り、経産省・中小企業庁は公正取引委員会とも連携し、近年、価格転嫁対策に全力で取り組んでいます。その一環として2年前よりアンケート調査に基づく「価格転嫁・価格交渉に後ろ向きな大企業実名リスト」を公表していますが、今回で4回目となります。

①「価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業」4回目の実名公表リスト>> result_02.pdf (meti.go.jp)

②日経新聞の関連記事:【価格交渉・転嫁に後ろ向きな企業】タマホームやエディオンが最低評価 経済産業省 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

1)今回の実名企業リストに関する分析

今回の実名リストの評価基準は、前回同様下の表のとおりとなっています。今回実名が公表された企業数は290社であり、前回調査の220社より増加しています。

以下、今回の調査で価格交渉・転嫁に関し評価の低かった企業、良かった企業のリストになります。(前回の調査結果分も横に並べ比較してみました。) 

  • 評価が否定的であった企業数(表の黄色部分)は減少し、肯定的な評価であった企業数(表の青字部分)は大きく増加しています。あくまでもアンケート調査ではありますが、全体として、価格転嫁・交渉に前向きな企業は増えています。
  • 価格に関する交渉状況ではタマホームやエディオン、一条工務店の3社が4段階評価で最低(エ)となっています。エディオンはリフォーム事業も抱えている事を考えると、3社とも戸建て・リフォーム会社です。また、次に評価の悪い会社(当方ともウ)18社中、3社はハウスメーカーです。(三井ホーム、パナソニックホームズ、アイ工務店)上の日経新聞記事にあるとおり、「原材料費の高騰により住宅価格は値上がりする一方「価格転嫁がコストの上昇分に追いつかず、中小企業へしわ寄せがいっている」ようですね。
  • 斎藤経産相は今回の実名公表に関し記者会見の中で「社名公表をきっかけに取引方針が改善された事例もあった。賃上げの原資を確保するため中小企業は積極的に価格交渉してほしい」と発言しています。今後も年2回の実名公表は継続されるかと思いますが、少しでも中小企業の価格転嫁が促進されれば良いですね。
  • また、経産省は、「今回、評価が芳しくない十数社の発注企業の経営トップに対しては、下請中小企業振興法に基づき取引方針の改善を求める、指導・助言を行う」とのことです。

以上、今回の実名公表の分析結果ですが、以下、参考情報として中小事業者が親会社と価格交渉する際に役立つ情報を掲載しておきます。今後、親会社(発注企業)との価格交渉に積極的に取り組む事業者は、是非目を通してみてください。

①経産省の適正取引支援サイト >> 価格交渉促進月間 – お知らせ | 経済産業省 中小企業庁 適正取引支援サイト (tekitorisupport.go.jp)

②中小企業庁HP「価格交渉・転嫁の支援ツール」>>中小企業庁:価格交渉・転嫁の支援ツール (meti.go.jp)

最後に、今回公表された実名リスト290社をそのまま掲載しておきます。大企業・中堅企業から受注している事業者は、リストの中に受注先企業名がないかチェックしてみてはいかがでしょうか?

【参考情報】発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の評価を記載した実名リスト(4回目)

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

関連記事

特集記事

矢埜 幸男

矢埜 幸男

成果を出して事業者と一緒に喜びたい! 管理部門から営業・マーケティングと幅広い実務経験・スキルあり! これを活かし経営全体のサポートを致します。 特にマーケティング、業務改革に強いです!

最近の記事
  1. 【YMOニュース#1-令和②】経産省が新たに「中小M&Aガイドライン」を策定しました!

  2. 【YMOニュース#5-令和②】当財団の雇用創造プロジェクト関連の補助金案内

  3. 【YMOニュース#4-令和②】中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」の開設について

ランキング

  1. 1

    【第3弾】経産省が価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業を「実名」で公表!2024年1月公表分

  2. 2

    初めて!経産省が下請事業者との価格交渉・転嫁に後ろ向きな大企業を「実名」で公表!【下請け事業者必見】

  3. 3

    話題のChat GPTで市場調査してみた!事業計画書作成で役立つか検証してみた!

TOP