諸事情で当ブログの配信を1か月ほどお休みしていましたが、再開したいと思います。今回のテーマは本年10月から適用される最低賃金になります。
1)10月からの全国平均最低賃金引き上げの目安額
昨日、厚労省審議会は、10月からの最低賃金を全国平均で50円を目安に引き上げることを決定しました。これで、全国平均で時給1054円となり、前年比50円の引き上げ額は過去最大で、上げ幅は5.0%になります。昨年の上げ幅は4,3%でしたので、明らかに大幅な引上げといえます。最近の賃金上昇を考えれば予想通りとはいえ、最低賃金額ギリギリでパートさんを雇っている事業者にとってはかなりのインパクトなります!
*NHKウェブ記事:最低賃金 全国平均の時給1054円に 過去最大の50円引き上げ | NHK | 厚生労働省
2)10月からの和歌山県の最低賃金は、+50円の979円に!
*和歌山県の10月からの最低賃金(目安)=979円(50円UP、上昇率=5.4%)
50円UPの979円はあくまでも厚労省審議会が決めた上げ幅の目安であり、和歌山県の地方審議会が最終的に来月決定するかと思います。多分、そのまま979円で決まるかとは思いますが、場合によっては1、2円UPする可能性もあります。和歌山県の最低賃金も、いよいよ1000円に近付くことになりました。(来年の2025年の最低賃金は間違いなく1000円を超えるでしょう。)以下、直近8年間の和歌山県最低賃金の推移になります。2018年の最低賃金が777円でしたので、6年間で200円もアップしたことになります。
今回の過去最大の最低賃金UPは。多くの県内の小規模事業者・中小事業者にとって多大な影響があるものと予想されます。今後も中長期のスパンでも、毎年4~6%の最低賃金上昇が見込まれるでしょう。また、労働市場では「人手不足」の状況が続いており、最低賃金以外でも「初任給の上昇」「従業員全体の賃上げ」などにも対応する必要かとも思います。
事業者にとっては、賃金上昇分を利益増加、生産性向上で対応する以外にはありません。利益増加について、政府は価格転嫁(売価UP)を重要視しており、中小企業が価格転嫁しやす環境を整備しようとしています。これは当然のこととして、中小事業者においては引き続き「利益を増加・確保するための新規事業・イノベーション」を検討、実施することが重要かと考えます。
3)近畿圏、和歌山県に隣接する県の最低賃金引き上げの目安額
最低賃金引き上げについては、近隣の府県とのバランス・差異も気になるところです。(特に大阪府)以下、予想される10月からの近隣府県の最低賃金額になります。近畿圏では、和歌山県と奈良県を除けば、すべて1000円以上になることになります。
以上、本年10月からの最低賃金になりますが、過去最大の引上げ幅でもあり、今後政府は業務改善助成金等の支援策を拡充する意向かと思います。後日、最低賃金UPへの支援策についてお知らせいたします。