事業再構築補助金12回公募~申請要件等の大きな変更点、注意点を解説します!~

事業再構築補助金

昨日は、公募開始となった事業再構築補助金12回公募のスケジュール、及び補助スキームについて解説しました。本日は、申請する上で必ず理解しておくべき申請要件等の留意点について書いてみます。いづれにせよ、12回公募への申請を検討している事業者は、下にある概要資料、及び公募要領を熟読することを勧めます。

①12回公募用の概要資料:事業再構築補助金の概要 (jigyou-saikouchiku.go.jp)

②12回公募の公募要領:公募要領 (jigyou-saikouchiku.go.jp)

1)12回公募の申請要件における変更点、注意事項

①支援方針に伴う申請要件の変更

11回公募までの方針は、単に「事業者の事業再構築を支援する」ということでしたが、12回公募の新しい支援方針は「今なおコロナの影響を受ける事業者への支援及びポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援に重点化」となっています。これに伴い、以下、新しい申請要件となっております。

コロナ回復加速化枠の新要件については、「今もなおコロナの影響で非常に苦しんでいる事業者に特化して支援したい」という方針の現われかと思います。ゼロゼロ融資を受けた後に返済に不安がありコロナ借換保証等を使って借り換えた事業者が、現時点でどれぐらいいるのか調べてみましたが、有効なデータを見つけられませんでした。いづれにせよ、この申請要件により、申請できる事業者は相当限定されるのではないかと推測します。

②全枠共通の申請要件における変更点(概要資料の3ページ)

* 事業再構築要件、付加価値額増加要件については前回公募から大きな変更はありません。

*今までは認定支援機関の確認書の提出が必須でしたが、以下のとおり変更になります。ご注意ください。(公募要領からの抜粋)

金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、資金提供元の金融機関等による事業計画の確認を受ける必要があります。必ず、「金融機関による確認書」を提出してください。金融機関等からの資金提供を受けずに自己資金のみで補助事業を実施する場合のみ、「認定経営革新等支援機関による確認書」の提出で要件を満たします。」

③各申請枠における注意点(概要資料の4~8ページ)

*成長分野進出枠(通常類型)においては、旧申請枠の申請要件と比べ大きな変更はないようですが、前回公募同様に申請事業者の業種が以下のとおり限定されますので、ご注意ください。

 ・市場拡大要件を満たす業種リスト:成長枠対象業種・業態リスト (jigyou-saikouchiku.go.jp)

 ・市場縮小要件を満たす業種リスト:産業構造転換枠対象業種・業態リスト (jigyou-saikouchiku.go.jp)

上記リストにある業種に属さない場合、事業者自身で客観的な統計等で示して証明する必要があります。

コロナ回復加速化枠の申請要件は前述しておりますが、具体的には以下のとおりとなっています。また、この枠の「最低賃金類型」へ申請するためには、「2022年10月から2023年9月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること」を満たす必要があります。

2)申請要件等以外の変更点、注意点

①審査項目・加点項目の変更について

審査項目・加点項目については、新しい公募要領の45~51ページにありますが、前回公募と比べかなり変更されておりますので、必ず確認する必要があります。(例:審査項目として新たに「公的補助の必要性」も追加されてます)

②事前着手制度の原則廃止について

昨日の記事でも書きましたが、以下にある例外を除き「事前着手」は認められませんので、ご注意ください。

③採択後、補助事業実施後の(年1回の)年次事業報告が「四半期ごと」になります

これは申請時ではなく採択後の注意点になりますが、これまで採択企業に対して年1回求めていた事業報告は、頻度を高めて四半期ごとに実施されます。採択された事業者の負荷が増すことになりますね。

以上、12公募における申請要件等の大きな変更点になります。明日は、12回公募の申請者数、採択率、及び今後の見通しについて予想したいと思います。

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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