【必見】最新の政府統計データを基に、中小の業種別・規模別財務分析をしてみた!~①損益計算表(PL)編~

経営知識

中小企業庁は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として、中小企業実態基本調査を毎年行っています。本日は、先週公表された最新の統計データを基に、私が加工した「全11業種すべての規模別PL分析(損益計算表)」について解説したいと思います。(今回公表されたPLデータは令和4年度(2022年度)の実績であり、コロナ禍の影響が反映されたものである点にご注意ください。)

3月決算で今後決算書を作成する事業者も多いかと思いますが、自社が該当する業種・規模のPLデータと比較分析してみてはいかがでしょうか?あくまでも業種を「大分類」で区切った大まかなデータではありますが、何か改善のための新しい気づきがあるかもしれません!ちなみに、ちょうど1年前にも同じ分析を行い、下にある記事を配信しています。(通常の配信よりも閲覧数はかなり多かったです)

1年前の配信記事 >> 中小の業種別・規模別財務分析をしてみた!①損益計算表(PL)~自社の数字と比較分析してみませんか?~ – YMO (yano-support.com)

11業種についての分析ですので、記事は長くなりますが、該当する業種の個所のみ目を通していただければ十分かと思います。分析した業種は、「建設業」、「製造業」、「情報通信業」、「運輸業,郵便業」、「卸売業」、「小売業」、「不動産業,物品賃貸業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」及び「サービス業(他に分類されないもの)」になります。

1)宿泊業、飲食サービス業(2022年度)

以下は令和4年度(2022年度)のデータです。まだコロナ禍の影響を受けている渦中のデータであり、赤字となっている営業利益を見れば、一目瞭然かと思います。ただし、下表のとおり、前年(令和3年度)のデータと比較すれば、営業利益の赤字幅は縮小しています。(来年公表される)令和5年度の数字では、更に営業利益の改善が進み黒字化していると予想します。この業種だけ参考情報として「FL比率」((食材費+人件費)/売上高)を経営指標に追加しましていますので、チェックしてみてください。FL比率を前年比でみてみましたが、上昇傾向です。原材料、人件費の上昇が要因でしょうが、対応として継続的に値上げをする流れですので、今後そう大きくは変化しないものと思います。

2)製造業(2022年度)

前年(2021年)の数字と比較しましたが、以下のとおり、売上は少し回復しているようですが、売上総利益率が少し下がっているようです。原材料等の高騰をが要因であり、価格転嫁が不十分なのかなと考えます。

3)建設業(2022年度)

建設業においては、前年(2021年)の数字と比較し大きな変化はないようです。

4)卸売業(2022年度)

卸売業においては、前年比で売上は伸びています。それ以外は、大きな変化は見受けられません。

5)小売業(2022年度)

卸売業同様、小売業でも前年比で売上は伸びています。それ以外は、大きな変化は見受けられません。

6)生活関連サービス業・娯楽業(2022年度)

この業種では、前年比で大きな改善が見て取れます。以下、売上高、営業利益率の前年データとの比較ですが、売上も伸びており、営業利益ベースでほぼ黒字化となっています。

7)情報通信業(2022年度)

この業界では、前年比で大きな変化はないようですが、以下のとおり営業利益率が少し下がっているのが気になります。人件費が上がっていることが要因なのでしょうか???

8)運送業・郵便業(2022年度)

この業種での売上は、以下のとおり前年比で伸びております。但し、令和4年度のPL分析の「法人企業21~50人」において、営業赤字、経常赤字になっているのが気になります。(2021年度は黒字でした)今後、2024年問題の影響等出てくるのでしょうか?

9)不動産、物品賃貸業(2022年度)

10)学術研究、専門・技術サービス業(2022年度)

11)サービス業(他に分類されないもの)(2022年度)

【参考資料】

今回の分析で資料した元データは下URLにあります。

中小企業実態基本調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

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