先日の配信(下URL)で来年度の新しい補助金として「中堅企業向けの大規模設備投資(10億円超)を支援する補助金」が創設される旨お知らせしました。
【速報】来年、中堅企業向け大規模設備投資を支援する補助金が創設されます! – YMO (yano-support.com)
先日、この新補助金の大枠が公表になりました。なにせ要件に「投資下限額が10億円」とありますので、対象となる事業者は相当限定られるとは思いますが、本日は当補助金について書いてみたいと思います。「以下、経産省の補正予算案PR資料(i20231115001_1.pdf (meti.go.jp)からの抜粋になります。
1)新補助金「大規模成長投資補助金」の狙い、背景
この新補助金は、上の先日の配信でも書いたとおり、「将来的に売上100億円を目指すような中堅企業を集中的に支援したい」という新しい政府・経産省の方針が背景にあるかと思います。その狙いは、スライドにもある通り、「地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方においても持続的な賃上げを実現する」とのことです。
2)補助金の概要
この補助金は「投資下限額が10億円」とあるとおり、以下のような大規模な設備投資を実施する事業者が対象になります。
- 「足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資」
以下、当方の私見・推測になります。
- 工場の新設、大幅改修、及び生産ラインの抜本的見直し・改善に伴う生産設備等の大規模投資等が対象になるのでしょう。
- 「工場との拠点新設等」とありますが、工場以外の物流センターの新設等も対象になるのではと個人的に期待しています。
- 補助対象費用として機械・システム費以外にも、新築・改装を含む建物費も間違いなく対象になるでしょう。取得する土地は、補助対象外でしょうね。ただし、申請事業者数を増やすためにも、申請要件としての「投資下限額10億円」には土地取得費も入れてもらいたいものです。
- 余談ですが、補助率1/3とはいえ、補助額が今までなかったような高額になりますので、相当精緻な事業計画、金融機関からの確認書など求められるかと考えます。
現在分かっている補助スキームは、「投資下限額が10億円」「補助上限額50億円、補助率1/3」ということだけです。現在、経産省は当補助金の詳細を設計するために事業者から意見を募集中です。
令和5年度補正予算案「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」に係る資料提供依頼・意見募集について (METI/経済産業省)
補助金の要件、補助スキーム、申請方法等の詳細については、1月以降徐々に開示されるかと思います。公募時期は来年4月以降になるのではないでしょうか?
3)補助金の予算・事業規模、及び事業期間
上URLには「事業期間は令和5年度から令和8年度となります」とあります。4年間は継続されることになりますね。令和5年度の予算額(案)は1000億円ですので、かなり大きな補助金です。仮に平均の投資額が15億円、平均補助金額を5億円とした場合、年間200者ほどが採択されることになります。(4年間で800者)
まだまだ分からないところも多いですが、以上が現在判明している新補助金の大枠になります。「投資下限額10億円」というかなりハードルの高い補助金ですが、今後4年の間に大規模な設備投資を検討されている中堅・中小事業者は、今後の詳細情報開示を注視いただければと思います。