今年に入り生成AI(チャットGPT等)が大きな話題となっていますが、生成AIに大きな関心を持っている方も多いかと思います。私も大きな関心を寄せており、先日は以下の記事を配信しました。
話題のChat GPTで市場調査してみた!事業計画書作成で役立つか検証してみた! – YMO (yano-support.com)
さて、本日は政府の「新しい資本主義実現会議」の資料の中に、生成AIの活用についての興味深い情報がありましたので、紹介してお行きます。以下、その関連記事(日経新聞)と当該資料になります。政府も生成AIの活用に本腰を入れるようです。
①日経新聞記事:生成AIの産業活用を後押し 政府、新しい資本主義会議 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
②新しい資本主義実現会議(第17回)基礎資料(2~6ページ): shiryou1.pdf (cas.go.jp)
以下、上の②資料について私見を交えて書いてみたいと思います。(1)生成AIの効果、2)生成AIの影響、3)生成AIの活用状況、及び自社での使い方)チャットGPTを始めとする生成AIの活用に関心のある方、是非ご一読ください。
1)生成AIの効果(資料の2~3ページ)
有名なMITの研究者による実験結果として、以下のスライドにあるとタスク遂行において、①生産性が大きく向上し(時間短縮・質の向上)、且つ②タスクの質での人による差が縮小したとのことです。ここでいう「タスク」とは、プレスリリース、短いレポート、分析計画、電子メール等の作成だそうです。調査対象が「大卒の経験豊富な専門家444名」となっていますが、特に事務系の専門職・管理職において生成AIが業務上で生産性向上に貢献することは間違いないでしょうね。
2)生成AIの使用による産業への影響
以下、生成AIで大きな影響を受ける上位10産業がリストになっていますが。上記1)のデータで明らかなとおり事務系の専門職における影響は大きいとしています。(法律、金融、会計、コンサルティングなど)当然のことですが、現時点で「影響を受ける」とは、(資料の4ページにあるとおり)仕事のやり方・時間の使い方が変わる、生産性が大きく向上するということと理解します。ただし、長い目でみれば、将来AIに取って代わられる可能性が高い業務・業種とも言えるかもしれませんね???
3)生成AIの活用状況、及び自社での使い方
既に業務上で直接チャットGPTを使ってらっしゃる方も多いでしょうし、(間接的に)チャットGPTのAPIを使った各種サービスもどんどん増えていくことは間違いありません。ここでは下のスライドにある「自社向け活用」についてのみコメントします。私はチャットGPTを使いこなしているわけではありませんが、現時点では生成AIはあくまでも「業務の助手」として活用することがベストかと思います。例えば、先日の配信では事業計画書の作成におけるチャットGPTの使い方について書きましたが、生成AIが様々な記述項目を網羅した上で説得力のある事業計画書を自動的に書いてくれるわけがありません。ただし、スライドにあるとおり「アイデア出し、ブレーンストーミング」「市場調査等の情報収集」「文章の下書き・校正」などにおいて生成AIは「役に立つ助手」になるかと思います。現時点、そして今後も、社内の業務上では「助手」として生成AIを活用すべきと考えます。とはいえ、回答に明らかな間違いがある場合も多いですので、回答を鵜吞みにするのは危険であり、注意が必要です。(経験上、一般的な質問への回答は参考になりますが、ニッチな市場に関連する専門的な質問等への回答については疑ってかかるべきかと思います。)個人的に現時点のチャットGPTの精度には不満ですが、今後どんどん精度は増すはずであり、本当の「有能な助手」になっていくことを期待します。
ここまで書いて、改めて「シンギュラリティ」(人工知能の知性が全人類の知性を超える瞬間)について考えさせられました。ネットで検索するとシンギュラリティの時期は2045年という説が強いようですが、最近の生成AIの登場等にみられるAIの進化を考えると、素人ながら2045年より早くシンギュラリティが来るのではないかとも思ってしまいます。その時、社会・経済はどうなっているのでしょうか?人間のライフスタイルはどう変化しているのでしょうか?楽しみでもあり、ゾッとするほど怖くもあります。