先日は以下の配信記事にあるとおり「令和4年中小企業実態基本調査(令和3年度決算実績)速報データ」を加工して、中小事業者の損益計算書(PL)を業種別・規模別に分析しました。
中小の業種別・規模別財務分析をしてみた!①損益計算表(PL)~自社の数字と比較分析してみませんか?~ – YMO (yano-support.com)
本日はもうひとつの重要な財務諸表である「貸借対照表」(B/S)について同じように分析した結果について書いてみます。事業者にとってPLは1年間の通知表のようなものですが、「貸借対照表」(B/S)は現時点での財務状況を表す健康診断の結果のようなものかと考えます。以下、昨日の東京商工リサーチの記事になりますが、約7割の倒産企業は財務状況(貸借対照表)が悪化し債務超過になった企業のようです。経営者にとってB/Sとは最重要な経営指標のひとつであることは間違いありません。
倒産企業は約7割が債務超過 人件費の負担が重く圧し掛かる : 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp)
近年、コロナ禍、及び原材料・物価高騰により(借入金増大など)B/Sが悪化している事業者も多いかと思います。以下、業種別・規模別のB/S分析ですが、自社が該当する業種・規模のPLデータと比較分析してみてはいかがでしょうか?あくまでも業種を「大分類」で区切った大まかなデータではありますが、何か改善のための新しい気づきがあるかもしれません!
(注)約4万5千社のBSを業種別・規模別に分析した生データを加工して分かりやすい表にしてみました!(業種別・規模別に1事業者当たりの平均値を算出しました。)分析した業種は、「建設業」、「製造業」、「情報通信業」、「運輸業,郵便業」、「卸売業」、「小売業」、「不動産業,物品賃貸業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」及び「サービス業(他に分類されないもの)」の合計11産業になります。規模別に関しては、「法人5人以下」「法人6~20人」「法人21~50人」{法人50人以上」の4つに分けてB/Sを分析しています。
1)宿泊業、飲食サービス業(2021年度)
- 当業種のみコメントしますが、宿泊業・飲食サービス業での「法人5名以下」においては、平均で債務超過になっていることに驚嘆しました。(自己資本比率が▲9.4%)この数字は2022年3月前後のコロナ禍最悪の時期のものではありますが、個人的に「ありえない、考えられない数字」と思ったので、元データも確認しましたが、間違いありません。いかにコロナ禍の影響が大きかったか鮮明に表れているかと思います。後日、宿泊・飲食業に限定して今回の財務分析結果(PL&BS)につい詳しく書いてみたいと思います。
2)製造業(2021年度)
3)建設業(2021年度)
4)卸売業(2021年度)
5)小売業(2021年度)
6)生活関連サービス業・娯楽業(2021年度)
7)情報通信業(2021年度)
8)運送業・郵便業(2021年度)
9)不動産、物品賃貸業(2021年度)
10)学術研究、専門・技術サービス業(2021年度)
11)サービス業(他に分類されないもの)(2021年度)
最
後に、今回の統計データですが、以下のとおり「産業中分類」での分析も可能です。(上記分析は「産業大分類」での分析)業種を中分類で絞り込んがデータを見たいという方、当該エクセルを加工して分析することも可能です。(PLの生データを企業数で割って、1社当たりの平均値を算出する必要がありますが)
ご参考まで。