来年度の事業再構築補助金の概要について、先週中小企業庁がより詳細な追加情報を公表しました。下URLの資料がそれになります。
事業再構築補助⾦令和4年度第⼆次補正予算の概要 >> https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/hosei_yosan.pdf
以下、ポイントのみ解説しますが、今後当補助金への申請を検討されている方々は是非上の資料を熟読ください!
1)今後の公募スケジュール
- 前回、9回目公募の締切は来年4月頃と書きましたが、「来年3月中下旬」が締切予定とのことです。(申し訳ありません)また、下のスライドにあるとおり、「第8回公募の採択発表は第9回公募の応募締切り後を予定しており、第8回公募で申請される場合、第9回公募での申請はできません」とありますので、この点特にご注意ください。
- 令和4年度第2次補正予算にかかる公募は、第10回公募(来年3月下旬公募開始予定)からと明記してあります。つまり上URL資料に書かれてある制度・補助スキームの変更は、第10回公募から反映されると理解できます。(第9回目公募の公募枠組みは現行と同じになるかと思います。)また、第10回公募以降(約3か月毎に)3回程度の公募が実施予定とのことです。
- 第10回目公募より、事前着手の期間が変更になります。「最低賃⾦枠、物価⾼騰対策・回復再⽣応援枠、サプライチェーン強靱化枠に限り、2022年12⽉2⽇以降の事前着⼿を認めます」とのことです。成長枠・産業構造転換枠に関しては、事前着手が認められないことになります。
2)事業再構築補助⾦(令和4年度第⼆次補正予算)の全体像
下のスライドが10回目公募(3月下旬公募開始)以降の全体像になります。今までの枠組みと比べ、各事業者の事業環境を意識したきめ細やかな枠組み(申請枠)になったかと考えます。政府は産業構造変革が必要性を唱えていますが、その現われでしょうね。
3)申請要件の大幅な変更について
以下の2つの申請要件に変更はありませんが、売上減要件、付加価値額増加要件の変更になることに加え、申請枠によっては賃上げ要件が新たに設定されています。
- 事業再構築指針にある事業再構築要件
- 事業計画を認定経営⾰新等⽀援機関や⾦融機関と策定すること。
以下、申請要件変更点のサマリーになりますが、この点よく理解の上申請する必要があります。十分ご注意ください!(申請者が少ないと思われる)グリーン成長枠(6,7ページ)、サプライチェーン強靭化枠(11ページ)については、資料の当該ページをご覧ください。
4)⼤幅賃上げ・規模拡⼤へのインセンティブ(成長枠、グリーン枠のみ)
成⻑枠、グリーン成⻑枠に申請する事業者に対しては、上乗せ枠として、卒業促進枠・⼤規模賃⾦引上促進枠が設けられております。(資料8,9ページ)また、大幅な賃上げ要件を満たせば、補助率が2/3へ引き上げられます。
①卒業促進枠(8ページ)
この上乗せ枠の要件は、「補助事業の終了後3~5年で中⼩企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること」とありますので、大変高いハードルですね。該当するのは申請者のほんの一部かと思います。ちなみに、この上乗せ枠を活用し、実際に達成すれば補助金が2倍になりますね。(つまり補助率100%になりますね)
②大規模賃金引上促進枠、及び補助率の引き上げ
成長枠・グリーン枠における大幅な賃上げのインセンティブは以下のとおりです。その要件は以下のスライドのとおり相当高いものかと考えます。また、補助率引き上げに関しては、要件を達成できなかった場合、補助率の引き上げ分(1/6)を返還する必要があります。