昨日は来年の事業再構築補助金について解説しました。本日は来年の「ものづくり補助金」の申請枠・補助スキームについて、(現在公表されている情報を基に)変更点を中心に解説したいと思います。(最後のパートでは本年公募の採択率も分析しています。)
以下、先週、中小企業庁HPに公表された「ものづくり補助金PRチラシ」(PowerPoint プレゼンテーション (meti.go.jp))からの抜粋になります。
上記表が来年の申請枠毎の補助スキームであり、赤字の部分が変更点になります。変更点をまとめると、以下の3つになります。
1)大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、補助上限を100万円~1,000万円、更に上乗せ!(回復型賃上げ・雇用拡大枠を除く)
事業再構築補助金同様、ものづくり補助金でも賃上げに対して大きなインセンティブを設定してきました。「大幅な賃上げ」とは具体的にどれぐらいの賃上げ幅なのか不明ですが、補助上限額を最大+1000万円上乗せとは大きいですね。(ほぼ倍増ですので)ひとつの指標ですが、以下現在の賃上げ加点要件になります。補助金上乗せ要件である「大幅な賃上げ」とは、これ以上の賃上げになるような気がします。
2)グローバル市場開拓枠「海外市場開拓(JAPANブランド)類型」では、ブランディング・マーケティング費用も補助対象に!
ものづくり補助金は設備投資の補助金であり、今までブランディング・マーケティング費用は補助対象外でした。グローバル市場開拓枠には4つの類型が設定されていますが、この中の「海外市場開拓型」についてはブランディング・マーケティング費用が補助対象となるようです。
また、上記の補助金拡充により、今までの「JAPANブランド育成支援補助金」が廃止になると聞いています。
3)グリーン枠を拡充し、3段階の上限設定で幅広い省エネニーズを取込み!
現在のグリーン枠の概要は以下のとおりです。来年から現在のグリーン枠は「スタンダード類型」となり、新たに「エントリー類型」(750万円~1250万円)「アドバイス類型」(2000万円~4000万円)が新設されます。(事業再構築補助金でも同様の変更・拡充がありましたね) 各類型の詳細については、事務局から今後公表になるかと思います。
最後に、現在の申請枠に変更された後の直近2回公募分の採択結果について調べましたので、以下の表をご覧ください。
- 過去の採択率と比べると、直近2回の採択率は高いと言えます。特に10月発表された締切分の採択率は約60%と歴代で1番高い採択率かと思います。
- やはり通常枠と比べ、特別枠の回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠の採択率は高いですね。(65~70%ほど)
- 通常枠に関しては、上の2回分の結果を見ると、申請者数で結構左右されるように思えます。
- グローバル展開型は補助上限額が一番高い(3000万円)こともあり、採択率は40%と一番低い数字となってます。(とはいえ、昨年の採択率は20~30%ぐらいでしたので、今年の採択率は悪くない数字かと個人的に思ってます。)
- 来年の採択率(採択され易さ)については、正直なんとも言えません。申請者数にもよるかと思いますが、あえて言えば50%前後になるのではと勝手に予想しています。
以上、ものづくり補助金にいてあまり詳しくない方は、以下のサイト、資料をご覧ください。
①現在の公募要領概要版>>「ものづくり補助金」が劇的進化! (monodukuri-hojo.jp)
②ものづくり補助金事務局サイト>>トップページ|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト (monodukuri-hojo.jp)