前回の記事でお知らせしたとおり、大型経済対策は今週28日に閣議決定されますが、これに先立ち政府原案が公表されました!
物価高・円安対策や人への投資 総合経済対策の原案全文: 日本経済新聞 (nikkei.com)
大型経済対策については来週詳しく解説したいと思いますが、本日は上記政府原案の中で目に付いた主要ポイントのみ解説します!
1)経産省の主要補助金の継続・拡充(事業再構築補助金、ものづくり補助金、持続化補助金など)
- 原案には「複数年度にわたって継続的な中小企業等の事業再構築、生産性向上への挑戦、円滑な事業継承・引継ぎを強力に支援する」とあります。以下の補助金に関しては、複数年分(2~3年)の予算が補正予算に計上されるかと考えます。(事業再構築補助金、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継引継ぎ補助金)
- また、「中小企業向け補助金において賃上げのインセンティブを一段と強化する」という記述もありますので、これらの補助金の申請において、(申請要件・加点等として)「賃上げのインセンティブ」が更に盛り込まれることになるでしょう。
2)賃上げの促進、支援策
原案全文をキーワード検索したら、「賃上げ」という語が47も出てきました!昨今の異常な物価高もあり、賃上げは政府の大きな課題の一つかと思います。事業者への賃上げ支援策として以下の2つが明記されています。
- 業務改善助成金の拡充(事業場内最低賃金引上げのための助成)(厚生労働省)
- 働き方改革推進支援助成金の拡充(「賃上げ加算」の増額)(厚生労働省)
3)企業の省エネ投資「3年で集中支援」(省エネ設備更新の補助金の強化、省エネ診断の拡充)
- 原案には「省エネ対策の抜本強化に向けて、~中略~ 特に中小企業の潜在的な投資需要を掘り起こすため、企業の複数年にわたる投資計画に対応する形で今後3年間で集中的に支援する」とあります。
- 故に、現行の省エネ補助金の拡充、また新しい補助金が出てくる可能性があるかと思います。
4)新しい資本主義の加速(人への投資、デジタル、グリーンなど)
- 原案には「デジタル分野等の新たなスキルの獲得と成長分野への円滑な労働移動を同時に進める観点から、3年間に4000億円規模で実施している「人への投資」の施策パッケージを5年間で1兆円へ拡充する」とあります。具体的にどのような施策が出てくるか興味深いです。
- 「デジタル化」「グリーン化」も重点投資分野になりますが、上記1)の各種補助金以外の新しい支援策が出てくることを期待したいと思います。
その他、今後輸出を検討している事業者への支援策なども書いてありますが、26日閣議決定された正式な大型経済対策の詳細は、(特に事業者支援策については)来週お知らせいたします!