昨日は今後の大型経済対策の方向性について書きましたが、その中のひとつが「人への投資」、特に社会人のリスキリング(学び直し)への支援があります。昨日の日経新聞1面に「リスキリングに1兆円 物価高・賃上げに重点首相所信表明 具体策・スピード不可欠」という見出し記事をご覧になった方も多いかと思います。そこで、本日はリスキリングの中でも一番緊急性が高いと思われる「デジタル教育」を中心に、政府が考えている「デジタル人材・スキルの現状、及び今後の方向性」、「デジタル教育等リスキリングの支援策」などに書いてみたいと思います。
1)日本のデジタル人材・技術スキルの低迷について
先週、経産省はデジタル人材育成のための「デジタル人材育成推進協議会」の1回目会合を開催しました。(第1回 デジタル人材育成推進協議会(METI/経済産業省))以下、この会議の資料からの抜粋ですが、Digital/Technological skills指標のランキング」において日本は63カ国中62位という結果だそうです。ショッキングな結果となっています。
2)DXを進める企業におけるビジネスパーソンの人材像、及びDXリテラシー標準
20年ほど前、私も前職で業務改革・ITプロジェックと長く携わっていましたが、当時のIT化は一般的に外部のITシステム会社へ大きく依存しており、社内のIT人材・コンサル人材(下のビジネスアーキテクト)は少なかったかと思います。以下、本年3月に経産省が公表した「DXリテラシー標準」(DX_Literacy_standard_ver1.pdf (meti.go.jp)から抜粋したものですが、DXの時代といえる現在、デジタルリテラシーは、経営陣を含む全社員に必要な知識・スキルと言えるでしょう。(デジタル教育に関心のある方、是非上の「DXリテラシー標準」に目を通してみては如何でしょうか?)
3)政府が現在行っているデジタル教育等のための支援制度・ツールなど
①文科省HP:学び直しに関する制度や情報のまとめ >>学び直しについて:文部科学省 (mext.go.jp)
上URLには、一番ポピュラーと思われる「教育訓練給付制度」(教育訓練給付制度|厚生労働省 (mhlw.go.jp))をはじめ学び直しに関する国の制度や情報がまとめてあります。ご参考いただければと思います。
②デジタル人材育成プラットフォーム~「マナビDX」 >>マナビDX – あなたの学びに変革を!学んで身につくデジタルスキル (ipa.go.jp)
経産省は事業者のデジタル人材育成を支援するための教育・学習サイトとして「マナビDX」を立ち上げています。既に250ほどの(無償の)オンライン講座を受講できますので、ご興味の方は当サイトご覧ください。
③中小企業大学校、及びオンライン講座(Webee)
既にご存じかとは思いますが、公的機関である中小企業大学校、及びオンライン講座Webeeを紹介しておきます。
*中小企業大学校HP>>中小企業大学校|中小機構 (smrj.go.jp)
*中小企業大学校のオンライン講座WebeeのHP>>https://webeecampus.smrj.go.jp/
④民間のリスキリングのためのオンライン講座の紹介
以下、民間で有名なリスキリングのためにオンライン教育サイトになります。
*JMOOC:JMOOC -無料で学べる日本最大のオンライン大学講座(MOOC)
*GACCO:gacco – すぐに始めてずっと続けられる動画学習サービス
4)今年創設された人材開発支援助成金:「人への投資促進コース」について >>000923165.pdf (mhlw.go.jp)
この人材開発支援助成金「人への投資促進コース」が、岸田政権で「人への投資」を謳った初めての助成金になります。今後5年間で1兆円をリスキリングへ投じるとのことですので、当助成金の拡充、新たな支援策・助成金が新設されることになるかと予想します。