先日、中小企業庁は、経営者保証に関するガイドラインの認知度向上を通じた経営者保証解除の促進に向け、経営者保証に関するガイドラインの概要ではなく「経営者保証を外すことができるかもしれない」というメッセージを強調したチラシを公表いたしました。(>>https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/download/leaflet.pdf)本日は、経営者保証の現状、及びそれを解除する可能性・方策について考えてみたいと思います。
①融資の際の「経営者保証」の現状、政府の方針について
経営者保証の詳細については、まず下URLにある中小企業庁HP特設ページをご覧ください。 >>https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/index.htm
「経営者保証」とは、融資を受ける際、経営者個人が会社の連帯保証人となること(保証債務を負うこと)です。経営者による思い切った事業展開や早期の事業再生、円滑な事業承継を妨げる要因となっているという指摘もあり、安倍政権の時から政府は「経営者保証に関するガイドライン」を作成し、できる限り経営者保証に依存しない融資を実行するよう金融機関へ働きかけてきました。この政府の方針・働きかけもあり、近年「経営者保証に依存しない新規融資の割合」は、下図のとおり毎年増加傾向になりっております。
しかし、下図のとおり「経営者保証を提供していない」割合は、まだ20%ほどとなっており、まだまだ低い数字かと思われます。
②経営者保証解除の可能性、及びその方策
政府が策定している「経営者保証に関するガイドライン」(https://www.zenginkyo.or.jp/adr/sme/guideline/)は、あくまでもガイドラインであり、法的な拘束力はありません。経営者保証を解除するかどうかの最終的な判断は、金融機関にゆだねられていますが。、関係者が自発的に尊重し、遵守することが期待されています。
このガイドラインの中に明記されている「経営者保証解除のための3要素」は、下のとおりです。この3つの条件を満たせば、金融機関は前向きに経営者保証の解除を検討してくれるかと考えます。
経営者保証を出している事業者は、今後の経営目標の一つとして、財務基盤をより強固にすることで経営者保証を解除してもらうことに取り組んではいかがでしょうか?
最後に政府広報サイトにある経営者保証に関するPR動画(約3分)を紹介しておきます。>>https://www.gov-online.go.jp/pr/media/tv/kasumigaseki/movie/20210917.html