岸田政権においては、今後の経済運営・政策を議論する主要な会議体、及びそのアウトプットは以下の2つになります。
昨日の新聞各紙1面には、岸田政権「新しい資本主義実現会議」が公表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」に関する記事が掲載されていました。並行して、経済財政諮問会議では「骨太の方針2022」が議論されており、6月中に閣議決定されるようです。では、これら2つの会議体・アウトプットの違いは何か?正直、その線引きは難しいかと思いますが、産業政策・中小企業政策に関する議論についてはほぼ同じという理解で良いかと考えます。(同じ政権での会議体ですので、まぁ当然の話でしょうが)
「新しい資本主義実現会議」が一昨日に公表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」は下URLになります。
>>(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai8/shiryou1.pdf)
5月18日「岸田政権「骨太の方針2022」骨子案、及び今後の事業者支援の方向性について」(https://www.yano-support.com/management/honebuto2002draft/)という記事を配信しましたが、2つの案(政策)の大枠はほぼ同じになっています。以下、2つのアウトプットの目次の一部になります。
いずれにせよ、上2つのアウトプットは今月中に閣議決定され、事業者支援策を含む今後の経済運営・政策の基盤となります。短期的には、岸田首相は今秋にも総合的な経済対策第2弾を策定すると言ってますので、上2つのアウトプット資料の内容が必ず反映されることになるかと考えます。また、その財源として秋の国会に2次補正予算を提出する可能性が高いでしょう。
以上、2つの資料が閣議決定後、今後の事業者支援の方針について再度当ブログで触れてみたいと思いますが、方向性としては、上にある5月15日のブログ記事のとおりになるかと思っております。
最後に、5月15日記事では触れずに今回の「実行計画(案)」に記述されている中小企業政策に関する気になる点を記しておきます。
①最低賃金の継続的な引き上げ
新しい資本主義実現会議の実行計画案には、以下の記述があります。今月から厚労省審議会で今年10月からの最低賃金についての議論が始まるかと思いますが、昨年同様に3%ほどの引き上げとなる可能性が高いと予想します。
②経営者保証の見直しについて
安倍政権においても経営者保証の見直しを推進していましたが、岸田政権においても引き続き「経営者保証に依存しない融資慣行の確立」を目指すようです。以下、実行計画(案)からの抜粋になります。